TOKYO SOCIAL FES 2017で「VR認知症」を体験してきました!

VR認知症 下河原忠道

昨年に続き、TOKYO SOCIAL FES 2017(渋谷ヒカリエ)に行ってきました!

TOKYO SOCIAL FES 2016

「福祉の仕事の魅力」を都民の方に知ってもらおうというイベントで、福祉の仕事のいろんなネガティブイメージを打破してくれます。

介護職って離職率高いんでしょ・・・いや、他業種と大差ないよ とか、年収が低いんでしょ・・・いや、キャリア次第では年収も増えますよ とか、世間が思う福祉の仕事へのイメージに間違いがあることに気づかされます。

介護家族であるわたしの参加目的は2つ。「VR認知症」というバーチャルリアリティーを使って、認知症の人の気持ちを自ら体験するイベント、もうひとつは「ダイアログ・イン・ザ・ダークSHOWCASE」という、視覚障がい者の方のアテンドで暗闇を体感するというものでした。1か月以上前に両方応募したのですが、「VR認知症」が当選しました。

VR認知症を体験しました!

銀木犀(ぎんもくせい)というサービス付き高齢者向け住宅を運営するシルバーウッド代表・下河原忠道さん。このVR認知症プロジェクトも手掛けていて、すでに全国で1万人以上が体験しているのだそう。ヘッドマウントディスプレイをつけて、認知症の方の世界を疑似体験します。3本VR体験したのですが、一番良かったのがレビー小体病の当事者でもある樋口直美さん監修の「レビー小体病幻視編」です。

レビー小体型認知症

映像の中には、本当はいないはずの動物、人などが出てきます。認知症の方には、それが現実として見えるという意味が本当によく分かります。目の前の人がわたしに話しかけてくるのですが、いないはずの人や虫に気を取られてしまって、会話の内容が全く入ってきません。なるほど、これはやっかいな症状だなということが理解できました。

VR認知症プロジェクトを通じて、認知症に持つイメージや偏見をなくしたいという下河原さんの熱い思いを感じることでき、すごくいいイベントでした。認知症に対するあらゆる誤解が、こういうイベントで少しずつゆっくりでもなくなっていくのだろうと思いました。

「注文をまちがえる料理店」といい、このイベントもそうですが、一般の人が認知症に対してスッと入れる仕掛けになっていることが素晴らしいですよね。

TOKYO SOCIAL FES2017

TOKYO SOCIAL FES 2017

福祉の仕事に興味を持ってもらうための仕掛けが、昨年以上によくできているな!そう思いました。この上の画像も撮影スポットで、 いかにもSNSにアップしたくなる感じです。

「世田谷代田」駅前にあるカフェ・シモキタトナリが、TOKYO SOCIAL FES内に出店していました。児童養護施設で働いた経験のある武石代表が運営していて、児童養護施設を退所した若者の相談にのったり、就労支援などもしているのだそう。

ピザトースト、コーンスープをテーブルで食べていたのですが、こんな看板がありました。

「介護福祉士って、どんな仕事?社会福祉士って、何をするの?」

カフェのホールスタッフは福祉の仕事をしている方々で名札をつけているので、食事をしながら福祉の仕事ってどんな?と気軽に質問できる仕掛けになっていました。

講演会形式よりも、食べながら質問できるほうが、スーッと自分の中に入ってきますよね。でもって、福祉のお仕事を伝える人の中に、認知症ONLINEというわたしも寄稿しているサイトで人気の介護福祉士・川上陽那さんがいたので、話した人は福祉という仕事へのイメージは変わったことでしょう。そんな川上さんの、最近のお気に入りツイートはこちら。


同じく認知症ONLINEの書き手である介護ブロガーのななさんにも偶然会い、3人でお話ししました。同じ職場の人と会っているような、不思議な感覚です。

来年も11月くらいに同じイベントがあると思うので、参加してみてください!

11月は介護系イベントが重なるので、日程を分けて欲しいです。運営者が別だからどうしようもないのですが、超福祉展、遠距離介護セミナー、TOKYO SOCIAL FESが、ほぼ同時期なんですよね。TOKYO SOCIAL FES公式サイトと、介護と仕事の両立をされているななさんのブログをご紹介して終わります。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか