「認知症きらきらネットフォーラム」 講演会参加レポート

認知症きらきらネット主催の 「認知症きらきらネットフォーラム」 が、2014年6月7日(土) 14時~ 東京・虎ノ門で開催されました。実家から参加したので、片道5時間かかりました(笑)

認知症きらきらネットフォーラムのお題

1部 「安心して老いることができる社会とは」
2部 「超高齢化社会の介護について」

参加してみての感想

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀で?「闘う介護、覚悟の現場」 で紹介された介護福祉士・和田行男さんのほぼ独演会でした。パワフルな方で、檀上には上がらず、ご自分のグループホームの話を最前列の参加者の方を入居している方と想定して、どう接しているかやってくれました。

あれ、びっくりしたんじゃないかな・・・最前列の方は(笑) それはさておき、印象に残っている5つのコトバをピックアップします。

和田さん
誰も老いたいとは思っていない、最期まで機能を保ちたいし、自分でできる事は自分でしたいと思っている」 ということを忘れてはいけない。提供してあげることが正しいと思っていて、介護される側もしてもらうことに感謝をする。介護する側も感謝される。これが当たり前になって、麻薬のような関係になり、本人をレベルダウンさせている事に気づかない]
「自分でできる事は、自分でやらせる」 というポリシーを持っている和田さんっぽいトークだなぁ~って思いました。この考えは、常にわたしも持っておかないとなと。

実際に介護をしていると、介護する側の都合でやらせない、させない って場面ありますよね。自分が面倒になるから という理由からなんですが、本当は認知症の人も、自分でやりたいはずなんですよね・・・

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和田さん
2歳の子ができなくても受け止められる。子どもだし、まだ成長していないから。誰もがそれを当たり前と受け止める事ができる。認知症の人は、脳の状態が低下しているのが普通だが、それを普通と思えないし、受け止められない。認知症が理解されないのは、脳が壊れるという経験を自分自身したことがないし、見た目にも分からないから

この話の時に、「見えないものを見えるといって稼ぐ細木和子と、見えないものを見えるという認知症の人の違いってなんだ?」 という例えをされてましたが、確かに同じ 「見えないものを見える」 のでも、「信頼」 ひとつでこうも違うのかと。うまい事言いますよね。

和田さん
徘徊ではなく、巡回だ。意味もなく歩くことはなく、目的を持って家を出る。われわれは目的を達成して、家に戻ることができるが、脳が壊れれば戻れなくなる。
 
和田さん
グループホームで閉じ込めず、巡回を許している。亡くなる可能性もあるが、本人はそれで満足し、家族も合意している。ただ加害者(巡回している認知症の人を車ではねた人)は、罰せられる。加害者には申し訳ないと思っている

和田さん
男子トイレは右、女子トイレは左と統一したほうがいい。そうすれば長年の習慣が身に付き、認知症の人も間違うことがなくなる。標識なども一貫性がない。

加害者の視点で、モノを考えた事なかったですね・・・巡回を許しても、人の家でウンコしちゃったり、花を勝手にもぎとったりしたら、その家の人に申し訳ないとも言ってました。「自分でできることは、自分でやらせる」 確かにそうなんですが、このリスクも介護する側は持ち合わせないといけないんですよね。

次回は、2014年11月頃に開催されるようです。認知症きらきらネット会員登録(無料)に登録しておけば、入場料無料(本当は1000円)になります。

協賛のマルハニチロさんから、高齢者向けの “やわらか食” のサンプル6袋をもらいました。(歯ぐきでつぶせるしょうゆラーメン、カレーうどんなど)うちの母もお世話になる時期がいずれくる可能性もあるので、どんなものか試食してみようと思っています。

アンケートに最後答えると、本をもらえます。ゲストが興味ある人ならば、今後も参加してみようと思います。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか