認知症の方の「通販での買い物グセ」とリアルな3つの対処法

認知症 通販 買い物 対処法

認知症の方の「通信販売」による買い物グセについて、母の体験談とリアルな3つの対処法について書いてみたいと思います。

リアルでない対処法「成年後見制度」を使う

「認知症 通販 トラブル 対処法 」というキーワードで検索すると、その大半の解決法は「成年後見制度」にたどりつきます。なぜかというと、クーリングオフ(無条件解約)は、原則として通販では適用されないためです。訪問販売、電話勧誘販売には適用されますが、通販は対象外です。

成年後見制度には「取消権」というのがあって、認知症の方の買い物を成年後見人が取り消すことができます。日常生活に関する行為(食品・衣料を買う、交通費の支払いなど)は取り消せないのですが、通信販売は「日常生活に関する行為ではない」とあり、これを使って対処しようという解決法です。

【日常生活とされない行為】
少額も含む借財、高額な電化製品の購入、カードによる購入、カード会員の加入、通信販売での購入、訪問販売での購入、割賦販売での購入、電話での勧誘販売
引用元:http://www.funabashi-tsukada.com/category/1918266.html

高額な買い物であったり、頻繁に買ってしまう場合は、成年後見制度を検討してもいいかもしれません。しかし、成年後見人になるまでが大変で(わたしは経験者です)、さらに親族ご自身が成年後見人になれる確率が低いのが現在です。手間がかかり、リアルな対処法とは言えません。

成年後見制度を利用しても、弁護士や司法書士など専門職後見人への支払いも毎月発生します。返品してお金を取り返すつもりが、後見人への支払いが逆に増えるケースも考えられます。もっと簡単な方法を、いくつか考えてみました。

認知症の母の通販体験談

母は以前、オリーブオイルを通販で購入していました。その習慣から、ダイレクトメールを見ると、ついフリーダイヤルに電話してしまうのです。商品は届くものの、振込用紙を紛失してしまい、支払いが滞るということがありました。

母に聞いても、

ん?オリーブオイル、頼んだかしらね?

と、注文したこと自体を忘れていました。結局、振込用紙を再送してもらって、支払ったという経験があります。独居ということもあって、対策を打つことにしました。

通販による買い物「3つの対処法」

まず、国民生活センターのページを引用します。

カタログやインターネットサイト等で、前もって商品を検討し、自分で確認した上で契約できる通信販売には、クーリング・オフ制度がありません。しかし、通信販売業者が、返品や交換できるルールを独自に定めている場合、その範囲内で対応してもらうことができます。なお、通信販売による契約において、事業者側に返品の定めについて表示・記載がない場合、商品が届いてから8日以内は、消費者が送料を負担することで返品できることになっています(2009年12月から)。困ったときには、お近くの消費生活センターにご相談ください。
引用元:http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2014_10.html

通販サイトを運営する事業者のルールを確認するところから、まずは始めてください。成年後見制度を利用しなくとも、対応してくれるかもしれません。さらに、こんな方法もあります。

1.買い物しそうになるダイレクトメールの送付を止める

片っ端から買い物する認知症の方もいるかもしれませんが、母のように以前から購入していたという習慣から、つい買ってしまうパターンもあるかと思います。今となっては必要のないものもあるはずなので、わたしはダイレクトメールにある連絡先に電話をして、このように言ってます。

くどひろ
うちの母は認知症で、余計に注文してしまう可能性があります。ダイレクトメールは送らないでください

電話してもダイレクトメールが送られてきたこともあり、2度目の電話ということを伝えたところ、ダイレクトメールが来なくなりました。認知症になる前の趣味、習慣などを考慮して、通販で購入してしまいそうなダイレクトメールを止めてしまいましょう。

うちは購入することがなくなりましたし、ポストに投函されているダイレクトメールで購入しそうなものも、気づいたときは廃棄してます。

2.電話の発信先を制限してしまう

ダイレクトメールを止めたところで、テレビショッピングや新聞・チラシ・雑誌広告など、そこらじゅうに買い物の誘惑は潜んでいます。そこで、電話そのものの発信制限をしてしまいます。

携帯電話はキャリア、機種によって対応方法が変わりますが、割と発信制限できるものが多いです。しかし、固定電話になると、携帯電話ほど対応できていません。うちの母も携帯世代ではないので、どちらかというと固定電話を多用します。そういった方には、「シルバーホンひびきⅢ」という機種があります。発信規制機能がついていて、その連絡先には暗証番号なしでは発信できません。

電話で物理的に制限してしまっても、先方につながらない理由を「電話が故障した」「会社が倒産して、連絡がつかなくなった」などそれっぽい説明が大切です。「余計な買い物してばっかりだから、発信制限した」というガチな理由はダメです。

3.「多少の浪費はOK!」という介護者側の心の余裕も

川崎幸クリニックの杉山孝博先生が提唱する認知症の法則のなかに「こだわりの法則」があります。認知症の人は、ひとつのことにいつまでもこだわり続ける、否定や説得はこだわりを強めるのみというものですが、その対処法に「こだわりは長期間続かない」というものがあります。

残高がゼロになるまで買い物を続けるかというと、多くの人はそこまでではないと思います。放置することもひとつの手ですし、他に気をそらす努力も大切です。

また、他の人と電話で会話をしたり、買い物行為をするという社会参加ができています。亡くなった祖母がそうでしたが、いずれそういった買い物すらできなくなってしまい、寂しい気持ちになったことを覚えています。数千円、数万円程度の浪費ならいいんじゃない?という、介護者側の心の余裕も大切ではないでしょうか?

最初はびっくりしますよね、すごくよく分かります。でも、成年後見制度を利用する前に、一度こういった簡単な方法で様子をみてもいいかもしれません。

今日もしれっと、しれっと。

にほんブログ村 介護ブログ 認知症へ にほんブログ村 介護ブログ 遠距離介護へ
■わたしの最新刊です!
スポンサーリンク