高いと思われている認知症介護というハードルを越えてみると、意外と低いのかもしれない

認知症介護

ブログに書くネタを思いついたら、いつもスマホにメモしている。

電車、新幹線、ジムで走っているときでも、思いついたらすぐメモ。その瞬間に思いついたことは、二度と浮かんでこないから必死だ。次元大介のようにポケットからスマホをサッと取り出すのだが、なにせフリック入力が遅い・・・せっかく思いついたネタが消えてしまうくらいに。

そのスマホにこう書いてあった。

「越えてみると、ハードルは意外と低い」

このフレーズをどこで使おうとしていたのか、連載コラムか別ブログか・・・せっかく取ったメモの意味が分からないということは日常茶飯事だ。

「家、ついて行ってイイですか?」を見ていたら

テレビ東京の「家、ついて行ってイイですか?」という番組が大好きなのだが、この前「あの」はなちゃん(29歳女性)が放送後どうなっているかということで、また出ていた。以前、ブログに書いた子だ。

テレビ東京「家、ついて行ってイイですか?」29歳女性・介護の名言

2015.07.04

終電を逃した人に声をかけ、「タクシー代払うんで、家ついて行ってイイですか?」という企画の番組に登場したはなちゃんは、出会い系で会うはずの男にすっぽかされ、家について行ったところ要介護5のお父さんと認知症のおばあちゃんを在宅で介護していた人だ。

そのはなちゃんの名言を、テレビでまた見ることになった。

はなちゃん
親を背負ったことがない人の方が多いと思う、親とかおばあちゃんとか。自分より上の人間を背負った事がない人の方が多いんじゃないかなって、だから大変に見えるんじゃないかなって思う。でも背負っちゃえば意外と軽い、重くない

29歳とは思えない達観した言葉に当時撃ち抜かれた(←次元とかかっている)わたしだが、スマホにメモしたフレーズとほぼ同じだということに気づいた。

フランスの実話を映画にした「最強のふたり」を、介護している人にはぜひ見て欲しいのだが、主人公の黒人青年ドリスを見て「ずいぶん、しれっとしてんなぁ~」と思ったことが、わたしが「しれっと」と言い始めたきっかけだ。このはなちゃんも、間違いなく「しれっと」した介護者だと改めて思った。

認知症介護のハードル

認知症に対するハードルを上げる環境は、十二分に整っている。何もしなくとも、認知症に対する大変さを訴えるメディアはいっぱいある。それを見聞きするだけで、認知症介護の大変さのハードルはどんどん上がっていく。

でも、ハードルの高さは自分でいかようにも変えられることが、経験上分かった。自分の思いひとつで、高くも低くもできるのだ。

どんなに認知症カフェでやさしい言葉をもらっても、家に帰れば結局は自分との戦い。どうハードルの高さを設定するかは、自分にしかできないのだ。介護仲間が高さを下げてくれても、自分の中でまた高くしてしまえば意味がない。

はなちゃんのように大変な介護をしている人が、ハードルを下げているのだ。あの人ができるのだから、わたしもできるはずと思ってしまう。あの人だからできる、あの人にしかできないという見方もできるが、そう考えてしまったら思考停止と同じこと。何の進歩もない。

29歳という若さで!と驚かれるかもしれないが、年齢は関係ない。結局はその人の性格や人間性であって、若くてもできる人はできるし、歳を重ねていてもできない人はできない。

はなちゃんも言っているとおり、わたしも越えてみるとハードルは思ったほど高くなかった。少なくとも、ここまでのハードルは。

これからも次々とハードルがやってくると思うが、いろんな情報を集めてハードルを下げようと思っている。ハードルを下げられた情報はブログで発信して、他の介護者もヒョイと越えられるようになれば最高!

もし、ハードルが越えられなかったときは、こういうつもり。

「俺はまだ本気を出してないだけ」

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)