利用者家族が明日からできる 「介護職の離職率」 を下げる唯一の方法

介護職離職率

介護職の離職率が高いとよく言われますが、リクルートが運営している 「キャリラブ」 さんが素晴らしい分析をされています。結論からいうと、宿泊・サービス業などが群を抜いて離職率が高く、医療・福祉は平均値ということが分かります。

この分析記事の最後のまとめがとてもいいので、引用します。

他業種と比較して、介護職の離職率は特別に高いというわけではありません。(一部略)これは、離職理由の1位となった「職場の人間関係」に起因していると見られ、小さな組織であるほど人間関係のトラブルで離職を選ぶ率が高いといえそうです。

注目すべきポイントとしては、離職理由に「仕事内容への不満」が上位にランクインしていないことです。同時に、介護の仕事を選んだ理由として「働き がいのある仕事だと思ったから」が54.0%と高い数字となっていることから、仕事内容への高い満足度が得られる職種であるといえるでしょう。
引用元:https://careerlove.jp/careworker-turnoverrate-1063

これを読んで、うちのような利用者家族ができることがひとつだけあるな!と思ったんです。

利用者家族として

母は2012年12月よりヘルパーさんを利用するようになったので、そろそろ丸3年になります。今担当してくださっている方は、2年と最長ですが、それまでは担当がよく変わったので、担当期間を平均すると7か月ぐらいではないでしょうか?

正直言いますと、皆さん短い・・・短すぎる。せっかくいい関係が出来上がった頃に、次のヘルパーさんであったり看護師さんがやってきたりするんです。すると認知症の母は混乱し、

誰が誰だかさっぱり分からない

認知症だし、覚えるの大変なんです。うちは写真を撮って、名前を書いて、それを半年ぐらい見せ続けた頃になんとなく分かって、1年くらいでまぁまぁ理解するという感じです。

名著 「人を動かす」 の中に、このような言葉があります。

名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない。

母から「おたくさん」と呼ばれるより、名前で呼んであげたほうが喜びます。そんなこともあって、我が家は名前を覚えることにこだわってます。これはできる家とそうでない家があるので、もうひとつが今日言いたいことです。

日常化してませんか?

毎週同じ時間に来て頂いて、買い物をしてくれたり、ゴミ捨てに行ってくれたりする、施設に行くといつもきちんとお世話してくれている・・・だんだん日常化していきますが、やはり 「感謝の意」 を伝えることが、利用者家族としてやるべきことなんじゃないかと。

職場の人間関係も待遇改善も利用者家族にはどうにもできませんが、「働きがいがある!」と介護職の皆さまに思ってもらうことはできると。それが感謝を伝えることであり、この仕事やってよかったにつながるはずです。

明日からできる介護職の離職率を改善できる唯一の方法は、利用者家族がもっと積極的に感謝の意を述べることなのかもしれません。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか