【面白デイ】調理リハビリってここまで踏み込むんだ!

調理リハビリテーション

2015年1月から通い始めたデイサービス。これは面白い!って思ったデイの様子をご紹介していきます。【面白デイ】とタイトルの最初につけて、シリーズ化の予定です。

わたしは2か所しかデイを知らないのですが、普通ではないと思うんですよね・・・通っているデイは。ブログ読者のみなさまにも、へぇ~って思ってもらえるんじゃないかと思います。

調理リハビリテーションを開始

最初の会議で、デイの施設長と相談員の方にわたしはこう言いました。

くどひろ
母は料理が趣味で生きがいです、これを取ったら何も残らないぐらいです!


調理リハビリをすることで、誰かの役にたっているという気持ちや社会的役割を持たせるのが目的です。認知症にいいかなと。
この1か月間、デイ連絡帳に母の様子がこう記されていました。

<デイ1回目>
調理リハをお誘いしましたが、今日はいいです・・ということでした。

<わたしの返信>
手足が不自由だからと気にしすぎるので、ゆっくり根気強くお声かけください。

<デイ2回目>
「手が・・」と消極的でしたが、出来る事をしようとお誘いし、手伝って頂きました。

<わたしの返信>
食器がお気に入りのようで、施設っぽくなくていい!と連呼してます。

<デイ3回目>
高い椅子に座って頂き、盛りつけを行いました。

<デイ4回目>
椅子から最終的には立ち上がり、積極的に準備されてます。

そして5回目・・・・

先週メニューを相談してお決めになられ、ビネガー風味のラタトゥイユを炒めはじめていらっしゃいます。

ラ、ラタトゥイユって、あのズッキーニ入ったやつでしょ??メニュー決めたって??

昔の母なら簡単に作れましたが、今は絶対に作れません。性格上、料理を始めるのに3か月はかかると思ってました。それがわずか1か月で、何が起きた??感動したので、早速デイに電話したところ、所長さんがこんな話をしてくれました。

「今までは優しい味で提供してきました、ところがお母さまが作られた料理は塩が効いていましてね」

「それを食べた利用者様がおいしいと言って、我々も勉強させられましたよ」

「お世辞抜きでおいしかったです」

「盛りつけだけじゃなくって、他に何かできないかを考えてました」

所長との電話の最中、わたしにはこんな画が浮かびました。

1.職員の方が、料理本で一緒にメニューを選んでくれて
2.調理担当の方が、それにあった材料を前もって手配してくれて
3.職員や他の利用者さんが、母が料理できるようにいろいろお膳立てをしてくれた

調理リハビリって、切ったり盛ったりぐらいなのかな?って思っていたので、わずか1か月でメニュー決めや味付けまで踏み込んでくれて驚きです!

味が良かった!という話を母にしたところ、翌日から家に来る看護師さん、ヘルパーさん、ケアマネさんに

冷蔵庫の残り物を見て、ちゃちゃっとラタトゥイユを作ったのよ
今までは病院食のような味だったけど、わたしが作ったらみんなペロッと食べたのよ
くどひろ
・・・・

病院食って・・・調子乗り過ぎ!作話にも程がある!って思いながらも、看護師さん、ケアマネさんも母の変化には気づいたようで、みなさん

「なんか楽しそうですね」

と。この話は朝から晩までかなりしつこいんですが、ひとつ気づいた事があります。それは、

「楽しい話だと、割と何回でも聞ける」

ということです。ご近所がうちを覗いているとか、誰々が悪口を言ったというネガティブ妄想を連続コンボで聞くのは、わたしもダメージがあります。でも楽しい話ならば、しつこいけどダメージは少ないです。

エプロンがこの色だから、頭巾はこっちかしらね

料理の時に被る頭巾を選ぶ母の姿は、ちょっと泣けましたね・・・泣いてないけど(笑)2年前の頑なにデイ拒否してた頃が、走馬灯のように・・・・認知症の薬も大切なんですが、やっぱりこういう事なのかもしれません。

もひとつデイの定番、歌についてこういう記述が連絡帳にありました。

「利用者のおひとりが突然歌い始めたので、みんな一緒になって歌い最後は笑ってました」

どこまでも自由だ~ わたしが体験したデイは、職員の方と数名の方しか歌ってなくて寂しい気持ちになりました。

注目のデイサービス

東京都・町田市にあるDAYS BLG!さんは、NHKでも取り上げられる次世代型デイサービスです。お仕事を利用者さんにしてもらって報酬を得ているところは、ホント画期的です!

いずみひろこさんは、若きデイ女性経営者。デイ選びの参考にさせて頂きました!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

9件のコメント

いいですねえ・・・ うちもそういう?デイに早く出会いたいです。
今日母がいつも午前中に行っているゴルフの会長から「3月でゴルフ来ないでくれ」って言われてしまいました(母には伝えてません)
生きがいを奪うようなセリフです。 今は私が行かないとゴルフに行かないからいいですがそのうち一人でも行きたくなるだろうし、その時までになんとかデイでもなんでも行くところを見つけないといけません。 
いくらこっちがやれ薬だ フェルガードだってやっても仲間と楽しく遊ぶことだけはていきょうできませんからね・・・

syumitektさま

>いくらこっちがやれ薬だ フェルガードだってやっても仲間と楽しく遊ぶことだけはていきょうできませんからね・・・

本当にそう思います、薬やフェルガードだけで完璧に症状が改善するわけではないので、こういうのが大切です。
ゴルフがうちは料理にあたるので、できるところまでリスク覚悟でやってもらいます!

 母がデイサービスにうなずいた と言えば聞こえはいいですが最近母はなんでも私の言いなりになっているので、デイサービスの体験までこぎつけることができました。
今回行くのは運動中心のデイですが、来週、うちも「調理」などをするデイに体験に行きます。

南国の詩 というデイサービスです。

調理がメインというわけではなく、イベントの一つとして行っているみたいですが、クレープを作ったりしたようで、母もそういうのやりたいだろうなーと思うのでどうなるか楽しみです。

syumitektさま

信頼がないと言いなりにすらなってくれないので、こぎつけたことはすごいことだと思います。

パチンコとかあるんですね、カジノやキャバレーがある男性向けデイもあったりするので先を行ってますね。

うちはデイに行く事でかなり大きな変化となりました、予想したとおりフェルガードよりも強烈な効果を発揮してます!

 ホントは今日ここのデイ体験のはずだったのですが・・・またもや気持ち悪い になってしまいました。これまったくもって原因がわからないので吐き気ドメを予防で飲ませる、それでダメならもうどうしようもない、という状態です。 今日は飲ませる前に気持ち悪いと行っていたので大事をとって中止しました。 そして午後も気持ち悪いと・・・。もしかして行っていたらよかったのかなあとも思いますが・・・。気持ち悪い が治らないとデイも大変です・・・。

南国の歌ではなんとipadを導入しているらしいですよ! 私も欲しい!! 違うか

syumitektさま

ブログ開設おめでとうございます!わたしもFC2でほとんどのブログを運営してましたが、今はwordpressにほとんど移行しました。誰にも読まれない最初の3か月や半年を乗り越えられるかどうかが、ひとつポイントになると思います。だんだんgoogle先生にも認識され少しずつ集まってきたなぁと思ったら、ある日ドカンとなります。この半年間を乗り切れない方が多いので、更新されないブログがネット上に大量に・・・

予定していたことがキャンセルになるってよくあることですが、介護者側は大変ですよね。デイに行ったら気持ち悪いが治るって可能性もありますが、最初の一歩ってどんな時でも大変ですよね。うちのデイにもipadあるんですが、利用者さんはあんまり使ってないですね。

母の退院が本決まりになり、参考のためまた過去のブログを探っています。
本記事の「楽しい話だと、割と何回でも聞ける」に納得です!ここ半年以上のネガティブ発言の繰り返しにぐったりしていた私ですが、最近元気になった母のポジティブな発言の繰り返しはそんなに嫌じゃありません。
私が出来る母の生活のサポートとして、くどひろさんの情報を元にデイサービスの見直しや、最近では日付表示がメインの卓上時計を購入しました。薬の飲み忘れ防止用です。今は迷惑電話防止電話機を検討中。
今後はケアマネさん達と、母に合う(かつ遠距離介護がしやすい)介護サポートを見つけたいと思っています。

みーしえるさま

過去記事800本近くありますので、ブログ内検索や一番下の記事一覧メニューをご活用ください。

ポジティブなら耐えられるって話は、どこかにスピンオフさせて記事にした気もします。デジタル電波時計はかなり実績がありまして、amazonのレビューでもよかったという声がいっぱい載ってます。うちはお薬カレンダーのそばに掛けてます。電話に関しても、シルバーホンひびきなんかは発信制限もします。うちは固定電話と昔からの携帯以外は使えないので、次はこれにしようかと思ってます。

そうですか、ありがとうごさいます。右端の「カテゴリー」単位でチェックしてました。「記事一覧」は気づきませんでした。隅々まで見てみるものですね。
電話に関しても参考にさせていただきます。母は昔から複雑な家電が壊滅的にダメなので(ガラケー「らくらくホン」も途中でリタイアした実績が…)、今の電話機と操作があまり変わらないものにしないと混乱してしまうから、慎重に選びます!
特に介護用に作られたものじゃなくても、介護界で人気な商品って密かにありそうですよね!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか