TVタックルで言ってた「介護は男が!女が!」という議論について

爆笑問題・太田さんの奥さん、光代さんは、「介護も少子化も家事も女性ですか?」 とTVタックルでお怒りだった。

今年6月に参加した「アラジン介護者フォーラム2014」では、男女の介護についてはこのようなデータがある。

「以前は女性84%、男性16%という比率で介護をしていた。ところが2010年現在、男性比率は30%まで上昇し、今後40%まで伸びていく」

また、2007年総務省「就業構造基本調査」の中で示された介護離職のデータは、女性が8割というデータもある。

1985年当時は 「介護嫁表彰」 条例というのもあって、嫁が介護すると市から表彰されるというとんでもない時代もあったわけで、こういった今までの歴史から考えれば、「女性の負担が多い」?という意識は持たれて当然だと思う。

しかし今後は間違いなく 「介護の男性化」 が進んでいくし、「男が!」「女が!」議論は正直どうでもいい。

ただ、性別による介護の特徴?というのがあるので、再度まとめたいと思う。 ニッセイ基礎研究所の松浦 民恵さんの 『働く人による介護の実態 -男性介護者に注目して』 の中にある男性介護、女性介護の特徴をご紹介する。

[note]<男性介護・女性介護の特徴>
・男性は看病や家事の経験が少ない、地域のネットワーク構築が十分でない
→ そのため、介護を抱え込み、苦悩する懸念が大きい
・男性は女性に比べ、自分自身で介護を行わず、他の方を積極的に使う傾向
→そのため、介護に携わる時間が女性より短い
・男性は介護施設を利用していて、自宅介護率は低い。
・介護費用の負担が、男性の方が多い

・男性は経済的負担感が大きく、女性は身体的・精神的負担感が大きいと思っている
・遠距離介護の女性の場合は、精神的負担も大きい
→在宅でやらなきゃいけないという思い、他の家族の目などで
・介護に専念していない、仕事と介護を両立している人の男性は、介護負担感を抑制できる[/note]

わたしが思った女性介護は、『女性の母性本能が介護への責任感を生み、負担感を増大させている。でも、男性よりもネットワークを作るのが上手で、そこでうまく発散できている女性は、介護の負担感も少ない』 と。

番組の演出上、男性女性という対決構図でもいいのだが、男性・女性それぞれ介護に特徴があって、いいところ悪いところがあるので、うまく協力し合えばいいだけの話である。

以前下記記事を書いたが、男女に関わらず「介護スタンス」は、お金・口・時間 によって変わってくるので、こちらで考えるべきとわたしは考える。

  【親の介護は誰がする?誰がやる?】介護スタンスを8タイプに分類してみた! 【親の介護は誰がする?誰がやる?】介護スタンスを8タイプに分類してみた!

ヤングケアラー

男女の話より番組に登場した28歳女性が、96歳の祖母を介護する 「孫介護」 がどうにも納得いかない。クローズアップ現代のヤングケアラー特集の時も同じ事があったのだが、

「現状の稼ぎを考えて、親が働いて子が介護する」

という選択をするのだ。クローズアップ現代のお父さんは、この決断への苦しみを語っていた。家庭の経済事情はもちろんあると思うが、60代の親が働いて、20代の子が働かずに介護に専念するのが本当にベストなんだろうか?

20代という若さでは、稼ぐ金額も少ない。それ故、介護費用を捻出するために、生活していくために親が働くという選択になるのだろう。しかし、20年後は、働いている親が介護される側になる。

その頃には20代だった子は40代になるが、稼ぐ力がない40代が完成している。親を介護したくとも、自分に稼ぐ力がない という負のスパイラルが待っているのだ。機会損失の金額も大きい。

転職マーケットではこの20年の介護は評価されないのが現状で、「単なる社会的ブランク」 としか判断されない。10代、20代といった若い子が介護するヤングケアラー問題の方が、男女間の話より重要だ。

ひとつ言いたいのは、10代、20代のヤングケアラーのみなさんは 「サラリーマン社会」 を意識しすぎると不幸だということ。

「介護ブランクで二度と就職できない」 「新卒で入社するタイミングを逃したから、もう一生就職できない」

そう思っちゃう子もいると思うけど、そんなこたーないよ。「会社に就職して、定年まで働き続けるというサラリーマンモデル」 “以外” ?に、いろんな働き方が転がっていて、今はそれが選択できる時代だ。頑張ってほしい、ヤングケアラーのみなさん!!

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4 件のコメント

  • TVタックル、不覚にも見るまえに寝てしまいました…。太田さんのお怒り、なんとなくわかります。自分には子どもがいないのでまだ負担が少ない方だと思います。が、男性と同じように仕事をして家事も介護も…だと正直疲れますし何かしろ支障がでます。誰か手を貸してよ!ちょっと少し代わってよ!と家族に当たります(笑)どれも少しずつ犠牲にしないと成り立ちません。
    性別による介護の特色がでるのは当たり前だと思いますが、どちらが看るべきか?は少々乱暴な気がします。
    特色を上手に利用して介護に活かすのももちろんですが、むしろ、主介護者を誰がどうやってカバーしていくか?が大事な気がします。身内だけではなく、行政や施設、病院、事業所、地域や親族…いろいろな人達や機関が主介護者と関わって負担を分配しないと、それこそ介護一色の生活のみで、主介護者の生活が成り立たない気がします。そこをもう少しクローズアップしてメディアは取り上げるべきだと思います。主介護者にとって何が不便で、何が大変で、何で困っているのか。誰にどこに助けを求めればよいのか。誰にどこに頼れば解決する問題なのか。
    自分が仕事をしながら介護をしていて思うこと→結局、助け合わないと介護できない、1人で介護するには限界がある、ということです。
    家族がいればまだいいのですが、シングルで介護だと経済的にも肉体的、精神的にも追い詰められてしまうのでは…?

    健康番組だけじゃなく、もっと介護の特番があってもいいのに?、と思う今日この頃です。長くなりました?

  • 1104yummyさま

    いつもコメントありがとうございます!!

    TVタックルはいつもより30分も遅かったので、寝てしまう時間帯です(笑)
    おっしゃるとおりで、支えあわないと成り立たない部分ってありますよね。

    一方で情報をたくさん集めて、いかにうまく制度や仕組みを利用するかが大
    切っていつも思っています。

    介護特番は認知症関連番組に偏ってますが、介護にはいろんな形があるので
    もっといろいろと特集があったらなぁ~と思います。

  • 初めまして。
    20代は介護漬けの日々だった元ヤングケアラーです。
    俺も『孫介護』でした。
    周りでは軽く携わっている程度の孫世代の人はいましたが、全国的に見ればもう普通にあるのでしょうね。
    直接介護に関わらなくても親がしていれば支えるしかないですし・・・
    我が家は最初は母と俺とで介護をしていましたが耐えられず、最終的には父も仕事を辞めて手伝うしかなくなりました。
    大人3人がかりで介護しても認知症の症状に耐えれませんでしたが・・・
    数ヶ月から一年程度であれば何とか耐えれるかなとも思いますが、5年、10年となると・・・

    『「単なる社会的ブランク」 としか判断されない。』
    『機会損失の金額も大きい。』
    ってのはその通りですね。

  • ツナさま

    はじめまして。

    コメントありがとうございます!

    ヤングケアラーの方は本当に大変ですが、まだまだ注目度不足だなと感じています。
    若者介護.netさまのメーリングリストを読みながら、ヤングケアラーのみなさまの活動に注目しています。

    ツナさまの大人3人がかりでの介護は、壮絶だったのではないかと想像します。

    今後とも宜しくお願い致します!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)