介護を支える 「妻の負担」 について考える (その1)

妻の負担

先日、婦人公論の取材を受けたとき、

「ところで奥さまは、現在の介護についてどのようにお考えですか?」

と言われました。3年近くブログをやってますが、「妻の負担」 について一度も触れたことがないので取り上げます。今読んでいる 「迫りくる息子介護の時代」 という本をベースにお話します。

介護する夫婦は「4つのグループ」に分けられる

1.嫁を失った同居の息子たち
2.ひとつ屋根の下、「妻とは一心同体」
3.親を看られるのは、妻のおかげです
4.妻を親から分離する配慮
出典:迫りくる 「息子介護」 の時代

介護する夫婦を4グループに分けたものですが、意味が分からないと思うので解説します。

1.は親と同居する夫婦。夫の親との同居生活がストレスとなり、妻は介護にはノータッチというケースです。夫は妻が介護を手伝ってくれるものと期待しますが、妻は無関心。実質妻を失った状態のことです。

2.は1.同様、親と同居する夫婦。夫婦で介護をしているものの、夫が主に介護をしていると “思っている” ケースです。思っていると書いたのは、妻が自宅の家事を一手に引き受けていたり、夫不在時に介護をやってくれるので、夫が思っている以上に妻の負担が大きいためです。

3.は、親と別居している夫婦。夫が介護を続けていくうえで、妻が実際の介護も心理的サポートもしてくれて、感謝を惜しまないというケースです。夫の代わりに、妻が介護にあたることもあります。また夫が介護に専念できるよう、家事や子育てを引き受けたり、介護方針へ助言・提案をして影響力を発揮します。

4.も、親と別居している夫婦。妻が介護に関与することはほぼ皆無で、夫もそれを期待していないケースです。親との物理的距離が、全グループの中でもっとも離れているのも特徴です。夫が親の介護から、妻を積極的に分離しようとしています。

わが家は4.です。

この4パターンから、親との距離が近い場合、自然と介護に巻き込まれてしまう妻が多いことが分かります。親世代の常識である 「嫁が介護するもの」 という意識が大きな理由で、周りの親族なども同じような目で見るために、自然と巻き込まれてしまいます。

また妻自身も、「冷たい人」と思われたくないという意識が働きます。例外として、1.のように親と近すぎた生活を長年してきたストレスから、介護は夫の仕事と割り切ってしまうパターンもあります。

4つのグループのいずれにおいても、妻の貢献は強く、家事は妻がすべて行うし、施設や介護サービス情報も妻の方が詳しいので、実質は 「旦那が介護をしていても、妻の負担が増えている」 というのが本の結論です。

うちは4.に近いですが、ちょっと違います。

妻を介護から積極的に分離しようとしてますが、家事をすべてお願いしてません。わたしは料理はしませんが、皿洗いはします。作りたくない日は外食でも大丈夫ですし、料理を強制することはありません。掃除、洗濯、ゴミ捨て、お風呂掃除・・・ほぼやります。奥さんは会社員、わたしは自宅で仕事をしているのでそれが自然です。

こう書くと、妻に養ってもらう主夫をイメージするかもしれませんが、それも違います。わたしの収入は会社員時代よりは減ってますが、それぞれ稼いでます。生活費負担を、押し付けるようなこともありません。

施設や介護サービスも自分で徹底して調べました、知らない地方都市の情報を妻は持ってません・・・よってどれも当てはまらないのです。こう書くと 「奥さんが介護にノータッチなんて・・・」 と思う人もいるかもしれませんが、それは親世代の常識です。

夫が実家と東京を行ったり来たりしていることを許容していることだけでも、かなりすごいことだと思っています。もうちょっと細かい話を、次回に持ち越します。

今日もしれっと、しれっと。

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2 件のコメント

  • うちは母親が認知というより鬱になってしまって短い間同居しました。昼間は妻が面倒を見てましたがすぐに根をあげました。私の母親は嫁として祖母と暮らしてましたが、なぜ大丈夫だったのか?昔の人は我慢強かったという人もいますが、私の答えは「祖母が元気な時から同居していた」からなんじゃないかと。これからの時代を考えると同居して介護するのが原則と言うような世の中の認識を変えていかないといけないですね。共倒れはダメです。

  • せきぐさま

    我慢強いというよりかは、慣れがあったということでしょうか?
    おっしゃるとおり、共倒れは本当にダメですよね。そして認識は変えていくべきことです!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)