父の乗っていた軽自動車を引き取らなかったのは認知症の母のため

遠距離介護 車

もうすぐ6年目に突入する遠距離介護生活ですが、盛岡に帰って一番困るのが足です。

遠距離介護が始まって最初の1年は、週2、3回は祖母が居る療養型病院に母を連れていったり、成年後見人がよく分からなかったので、しょっちゅう家庭裁判所にも足を運んだりしてました。

車無しでは生活できないこの状態をどう乗り切ったかというと、新車リースでした。月12,000円を支払えば、1年間だけ新車の軽自動車に乗ることができる、その代わり1年後にはその軽自動車の新型モデルを買うというリースがあったのです。

車のリースって、中古車でも最低2、3年の契約になります。余命半年と言われていた祖母ですから、そんなに長期間リースはいりませんし、母の体制も整ってなかったので1年リースは助かりました。都内にも同じリースがあったので、営業マンに相談したところ、1年後に新型モデルを必ず買わなくてはいけないというルールではないということを知り、1年間だけその車を借りました。

車を買うことも検討したのですが、車検やガソリン代、自動車保険などお金がめっちゃかかります。大した乗らないのに、そんな非効率なことはないと考え、今は格安レンタカーを利用しています。6時間2,200円、12時間2,500円とガソリン代が300円くらいを、月1回借りています。レンタカー屋の超常連なわたしです。

カーシェアリングや普通のレンタカー、リース、新車や中古車購入を検討しましたが、格安レンタカーが一番安いですね。遠距離介護されている方の足問題、皆さんはどうされているのでしょうか?

こんな状態なので、父の遺品である走行距離3万km(車検残り1年つき)の軽自動車を引き取れば、今後母の病院にこの軽自動車で連れて行くことができるし、実家には駐車場もあるのでなにひとつ不便ではありません。しかし、この軽自動車は義弟に廃車にしてもらうことにしたのです・・・なぜか?

5年前のある出来事が決め手

わたしがまだ父親とケンカする前で、なおかつ母は認知症を発症していた時期のことです。父から軽自動車を借りて、母を病院か食事に連れて行った時のことです。

くどひろ
車借りてきたから、外行くよ~
ん、この車、ひょっとしたらお父さんの車じゃない?
くどひろ
違う違う、友達の車だって

認知症のかなり初期だった母は、なんでこの軽自動車を父のものだと気づいたのでしょう?

それは匂いです。昔の人って、車の中にムダに芳香剤を設置してましたよね?父もそういう人で、独特の匂いのする芳香剤を置いてました。母は何年も父の車には乗っていないはずなのに、なんか気づいてしまったんですよね・・・匂いの思い出って恐ろしいなと、その時思いました。

そういえば昔、認知症の人と匂いの関係をNHKのガッテンでやっていて、その時にこんなツイートをしてました。

最近の母なら気づかないかもしれませんが、それでもあの苦い思い出があったので、車を引き取らずに廃車にしました。

もうひとつ、父の遺品はできるだけ母の実家には持ち込まないようにしていて、本当に最低限使えそうなものだけにしています。理由はなんとなく、わたしの気持ちがざわつくからです。母の頭の中では、だいぶ前から父は死んでいたことになっていたので、遺品を持ち込んで下記スイッチが入ったらイヤというのもあります。

母が父の遺品を見る → 父を思い出す → 妻として辛かった日々を急に語りだす 

遺品がなくても、たまにこういうことはあります。聞いているわたしもなんかイヤな気分になるのと、お墓や仏壇も分けるようなわたしですから、遺品に関してもどこか分けておきたいという気持ちは正直あるんですよね。そんな思いはありながらも、父との最期の3か月はしっかり頑張りました。それはそれ、これはこれってことで。

今日もしれっと、しれっと。

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3 件のコメント

  • くどひろさん、こんばんは。

    夫婦は所詮他人、親子は切りたくても切れない縁って事で(笑)

    遠距離介護では無く、帰省でもかなり車問題は大ごとでした。

    実家は超田舎なので、駅やバス停まで10分はざらそれ以上が当たり前で、お財布の都合の付く時はレンタカーを借りてましたが
    レンタカーを借りても気難しい母とのバトルはしょっちゅうでした。

    どこの家にもそれなりの確執はあると思いますが、父の葬儀前日、普通なら通夜等で集まってくれる方へ挨拶などして
    忙しい未亡人(母)と言うあたりが相場でしょうが、私がレンタカーを借りて慣れない車で8時間母の葬儀当日に着用する
    お着物の下ばきのズロースを探し回る旅に出てました。
    当の母は「忙しくて父のところへ行けないけどまぁいいか」と、私は明日は焼かれて骨になると思うと、父の顔見たいのですが
    母には通用せずでした。

    クドひろさんのお母さまの、葬儀話になるとおろろ、と言う件に少し似てますね。

    車の香りの件、カルチャーショック級のお話ですね。

  • 自分もてんてこ舞いさま

    てんてこ舞いさまに対してのコメントに対して、ケアミーツの安並さんからコメントがついておりますので、もしよろしければ読んでみてください。

    なるほど・・・いろいろありますね、やっぱり。おっしゃるとおり夫婦は他人でしたね、確かにそうそう。

  • くどひろさんへ

    コメントの件、ありがとうございます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)