認知症の経過報告(1年と11週・12週間目)・どうしたの?その指!

東京から帰省して、しばらく話をしていると、

母:「指切っちゃってさ、輪ゴムで止血したから大丈夫」

わたし:「えっ?どれ、見せて。うわっ、これかなり深いよ、しかも肉が出てきてる!!

母:「切っちゃったのよ、えっと・・・・あれ?いつだったかな?なんで切ったかな?」

左手の中指を5mmほど、深くえぐるように切れた傷です。包丁で切ったのか、はさみなのか?いずれにせよ、切った時期と原因が全く分かりません。

わたし:「70歳でこの傷はやばいでしょ、明日は病院決定ね」

母:「だいじょうぶだって、全然痛くないし」

わたしがここで考えたのは 「自傷行為」 です。認知症の人の症状にあるんですが、”かまってちゃん” 的な行動が最近多いのでそれかと。いろんな本を読んだりイベントに参加しすぎたせいか、最悪ケースを考え過ぎる自分・・・いかんですね。

翌日、近くの外科へ早速連れて行き、外科の先生の前の席まで母を連れて行きます。で座ったあとの、先生とのやりとりです。

母: 突然靴下を脱ぎ出す!

わたし:「そっちじゃない、なかゆび!手ね!」

母:「あー、そーだった。なんか片づけしてた時に、指を切ってしまって」

わたし:「先生すみません。”本当は” 時期も理由も不明なんですが、とにかく深く切れてまして・・・」

先生:「これ、だいぶ時間が経ってますね。むき出しのまま長時間放置してたから、肉が見えてます。」

わたし:「先生、これくっつきますかね?高齢ですし・・・」

先生:「大丈夫ですよ、2日後にまたいらしてください。テープを貼りますが、濡らさないようにお願いします

とりあえず大丈夫とのこと。近くのスーパーに寄ると、おそらく30年ぶりに近所のおばさんに声かけられました。

おばさん:「あらぁ、40kaigoさん!帰ってきてたの~、親孝行だね。40kaigoさんに甘えなさい!」

腕を組んでスーパーに入ったので、おばさんはただの仲のいい親子と勘違いしたようです(笑)母が手足が不自由なことも、認知症なことも知らない人なのでしょうがないんですが、にしても・・・そうきたか!!

で家に帰ってきて料理を始めると、いきなり手を濡らそうとします。早速先生の言ったこと、忘れてます!

わたし:「ストップ!!ゴム手袋してー」

母:「あら、そうねー」

簡単な食事を作り、食べ終わりテレビを見ます。食後の後片付けを始めようとした時、また手を濡らそうとします(笑)こりゃ言ってもだめだなぁ~ってことで、近くの薬局に行って指サックを購入しました。

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昼食はなんとかしのぎ、夕食も無事終了。指サックが若干きつかったらしく、血が止まっているとの訴えが母からあったので外してあげました。

わたし:「おやすみー」

母:「おやすみー、顔洗って寝るわ!

なに?顔あらう? 部屋に帰る途中でいやな予感がしたので、すぐ折り返しました。

すると予想どおり・・・・思いっきり手を濡らしてます!!!

半日の間、濡らさないように監視し続けたのですが、一瞬にして水の泡です。最近ホント、注意力散漫だし、深く考えずに行動する傾向が強くなっているんですよね・・・調子がいい時は遠距離介護の頻度を減らそうかなって思うんですが、こういう小さな事件があるとやっぱり通わないとなぁって思いますね。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか