認知症の経過報告(1年と30週間目)1周忌に参加しないの?

祖母の1周忌を行ったのですが、早めに母に伝えると

「いつやるの?」 「何時から?」 「お墓に来るの?」 「誰が参加するの?」

という質問責めにあうため、3日前まではかん口令を敷きました。3日前になったら、上記質問にパーフェクトに答えた貼り紙をカレンダー付近に貼って対応しました。

1周忌前日に、わたしが終日外出したのですが、帰宅すると母が、

母:「さとこ(仮名:わたしの妹)、明日来られないって電話があったよ」

わたし:「え゛ーーーー、お寺に連れてってもらわないといけないのに」

母:「タクシー呼べばいいじゃない?」

わたし:「そりゃそうだけど、そんな連絡自分のところにはなかったよ」

母:「いや、さっきうちには電話来たよ」

まずは妹からLINEが来ているか改めてチェックしてみると、特に来てません。ってことで、確認のLINEを妹にしてみると、

妹:「は?明日10時に迎えに行くから(笑)」

わたし:「だよねー、そんなことだろうと思ったよ」

実は最初の会話から察しはついていたのですが、いきなり否定すると意固地になるんでとりあえず合わせたのでした。さて、ここからどのようにして説得するかですが、正攻法で説得することにしました。まずは妹からのLINEを見せ、

わたし:「ほら、1周忌に参加するってよ」

母:「え?いやいや、電話が来たんだって」

わたし:「(携帯電話の着信履歴を見せて)履歴もないよ」

母:「あら、おかしいわね。でも電話はあったんだって。」

その会話が妄想かどうかはだいたい判断できるんですが、必ずきっかけや理由があったりします。ただ今回の件に関しては、さっぱり意味が分かりません。それに関してあれこれ考えるとわたしが疲れるので、「まぁ、いっか」 で流しました。

1周忌と言っても3人のみでやったので、準備はそう面倒でないんですが、塔婆が準備されていたり、和尚さんがお墓まで拝みに来てくれたり。葬儀屋は塔婆もなく、お墓にも来ないと言ってたので、教えられた1周忌とまるで違う展開になりました。

油断した我が家は先回りして慌てて墓掃除をしたり、ろうそくやお線香、マッチを途中で購入したりとドタバタ1周忌でしたが無事終了。終わった後、母は

母:「和尚さん、いくつになっても歳とらない人だ~」

を10回以上連呼していたんですが、記憶にきっちり残っているんだなぁという視点で見ると腹も立ちません。以前よりも妄想に確信を持って話すようになったのと、取り繕いが下手にはなってますね。でも、ヘルパーさんや訪問看護師さんには気づかないレベルで(笑)


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか