認知症の経過報告(2年と9週・10週間目)これは誰の折り鶴?

実家に帰ると、千羽鶴が居間と祖母の仏壇に飾ってありました。

20150528_172008
デイサービスの人が、わざわざ届けてくれたの?
くどひろ
え、なんで?
うーん・・・これお返ししなきゃいけないんだけど、どうしよう?
くどひろ
折り鶴にお返しする人って、あまりいないでしょ?
デイサービスの人にね、これ届けてもらって、お返ししなきゃいけないの!
くどひろ
(聞いてないと内心思いながら)あ、そうなの?

ここ1か月、母との会話はこればっかりです。部屋の模様替えが趣味な母は、1日のほとんど過ごす居間に折り鶴を飾ったため、目に入った瞬間にスイッチが入ったようにこの会話をします。

あまりに質問されると事の真相を知りたくなるので、デイサービスに電話してみることにしました。

くどひろ
折り鶴を頂いたようなんですが?
デイ職員
はいはい、利用者様で1日中鶴を折っている方がいましてね。どんどん増えていくので、新しい利用者様にひきとってもらっているんですよ。
くどひろ
なるほど!ずっとお返ししなきゃって、連呼しているもんですから、真相を知りたくて。
デイ職員
お返しは大丈夫ですよ

この事実を母に伝えると、一応は納得しました。しかし、居間に折り鶴が飾ってある限り、ずっとこの質問は繰り返されます・・・妹もわたしと同じ洗礼を受けています。

ということで、2週間ほど寝かせることにしました。寝かせるというのはこの事実を何度か説明しているうちに、いつのまにか母の記憶に定着することがあるので、時間を空けることにしました。

もし、2週間後に同じ質問が繰り返されるようならば・・・

せっかく頂いた折り鶴ですが、隠します。もし母が入院するような事があったら、使わせて頂きます。利用者のAさん、ごめんなさい。

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか