最新のお墓事情は介護している時から知っておくと便利!

介護者 葬儀 お墓

テレビで「エンディング産業展」のニュースが頻繁に流れていたので、東京ビックサイトまで行ってきました!

記事タイトル下の写真はPepperくんで、説法を説いて頂きました。木魚叩いて読経してもらうと、だいたい5万円で済むそうです。

うちの父が余命宣告された中で生きておりますので、お墓や葬儀もいろいろと調べている中での「エンディング産業展」への参加でした。

エンディング産業展に行って感じた2つのこと

全体として、大きく2つポイントがあると感じました。

  1. お墓の世界も、少子高齢化対策がされている
  2. 思い出や遺影をデジタルで取り込むサービスが多い(デジタル化)

少子高齢化だし、多死社会がやってくるからこの業界はウハウハなのかなと一瞬思いました。しかし少子化ということは、お墓を引き継いでくれる人がいないということになります。

さらに、葬儀費用もここ20年で半分に減っているそうです。それでもわたしはまだ高いと思っていて、4年前に祖母の葬儀の見積もりに行ったときは、「互助会の怖さ」を痛感しました。

冠婚葬祭のために、毎月積み立てを行う互助会。互助会に入ってないわたしが「しれっと」見積もりにいくと、オプション料金ばかり取られ、途中から話をスルーして退散しました。ドライアイスはこれでは足りないとか、この霊柩車だとみすぼらしいとか・・・その都度、数万円アップです・・怖っ!

期限付き墓地(一定期限が過ぎると、遺骨が出されて永代供養に移される)があったり、都心だと屋内式の全自動納骨堂があったりと、終活ビジネスもかなり様変わりしています。この永代供養ですが、墓石や墓地使用料がかからない、お布施もいらない、宗派も問わない、お墓参りしてくれる人がいなくてもお寺が管理するなどなど、選択肢としてはありかと思います。

というか、葬儀ビジネスのブラックボックス感がハンパないですよね・・・なんでこの値段なのか、さっぱり分からないものだらけですし、お寺さんも同様です。「考える葬儀屋さんのブログ」を読んでみると、面白いですよ。

デジタル系のサービスは、わたしはあまり面白いと思いませんでした。ある程度ITに自信がある人なら、自分で動画や遺影をきれいに残しておくことができます。当然苦手な方も多いので、企業がシステム化したりパッケージ化して販売するというビジネスがいっぱいありました。


キティちゃんの本物の墓石

最も注目している樹木葬

わたしは病院のベッドで弱っていた父に非情にも、こう言いました。

くどひろ
樹木葬ってのがあってね、これでいいよね?
樹木葬

うちのお墓には、祖母とわたしの兄の2人が入ってます。婿である父は、お墓作りのお金をいくらか出している模様。4年前の父との大ゲンカの理由の一つが墓で、そのとき父はこの墓に絶対入らないと言いました。いずれ認知症の母もこのお墓に入るのですが、さすがにイヤでしょう・・・実質離婚状態の2人を同じ墓に入れるのは。

最近、「死後離婚」という言葉もありますよね。死んだ夫の墓に一緒に入りたくないというケースで、配偶者の死亡後に籍を抜くことです。カタチは違いますが、うちも似たような感じです。

父は無縁仏はイヤということで、わたしもいろいろ調べてみてしっくり来たのが「樹木葬」でした。いろんな形態がありますが、父に入ってもらう予定の樹木葬は郊外の霊園の木の下に、すぐ上の写真のように石のプレートが並んでいます。地域によって価格差はありますが、盛岡だと30万です。

年に一度合同供養をしてもらえるのと、この30万以外に毎年の管理費用などお金が一切かからないというメリットがあります。無縁仏がイヤでお金もない・・・いろいろ調べた結果「樹木葬」が合っていると考えました。

他にも遺骨の扱い方は進化していて、わたしならこれがいいなと思いました。

遺骨を飛ばす!撒く!

わたしは、この盛岡のお墓に入る予定はありません。もし入ってしまうと、東京にいる妻が盛岡まで通うという面倒なことになります。でもって、うちは子どもがいないので、誰かがお墓参りすることもない・・・跡形もなく消して構わないので、そういう視点でエンディング産業展を見たらありました!

平成28年国民生活基礎調査を見ると、「おひとりさま」「夫婦のみ」の世帯を合わせると50%を超えますので、実はわたしと同じ方がかなり多いんです。また、子どもに負担をかけたくないという思いから、こういう選択される方も増えているようです。

バルーン宇宙葬

巨大バルーンに遺灰を乗せて、成層圏でパーンと散骨する方法です。バルーンは7色から選べ、好きな時間・好きな場所(条件あり)からバルーンを飛ばすことができます。生前契約の預託金で26万円だそうです。宗派に関係なく、気軽な服装で、宇宙へ葬送できるので、これいいなぁと思いました。

バルーン宇宙葬

人工衛星プラン・月旅行プラン

遺灰をカプセルに入れて、人工衛星と一緒に宇宙に飛ばす方法です。そのカプセルは最大で240年間、軌道を周回します。月旅行プランは、月までカプセルを運んでくれます。人工衛星プランの一番安いタイプで、100万くらいかかります。

海洋散骨プラン

文字どおり、日本全国の海で遺骨を撒くというプランで、一番安くて5万円からとかなり安く抑えられます。

わたしは経済的に余裕があったら、宇宙に飛ばしてもらって軌道を周回したいです。あまり余裕がないようだったら、海に骨をまいてもらおうと思っています。

介護者の皆さんも、ご自身のお墓について一度考えてみてください。思っている以上に選択肢がいろいろあって、お墓や葬儀の考え方もだいぶ変化していますよ。

今日もしれっと、しれっと。

 


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか