【世界との比較】離れて暮らす子や孫とはどれくらいの頻度で会っている?

遠距離介護 頻度

わたしは現在、1週間盛岡に滞在し、2週間東京にいるというサイクルで遠距離介護をしています。

会社員時代は週末を利用して帰省したり、緊急事態のときは、2日だけ滞在して帰京するようなこともしていました。なんで1週間盛岡、2週間東京というサイクルになったかというと、いくつか理由があります。

遠距離介護の帰る頻度が決まった理由

認知症の母と2週間以上会わないと、いろいろと変化が現れます。例えば、お薬の飲み忘れの回数が増えます。料理の感覚が、少し鈍くなります。今はデイに週2回行くようになったからいいのですが、前は活動量が鈍くなって、コタツで寝ている時間が増え、動かなくなるということもありました。

ヘルパーさんに買い物をお願いしているものの、トイレットペーパーや歯磨き粉などの日用品は自分が買うのでこのあたりの在庫もなくなることがあります。冷蔵庫に腐った野菜が増え始めます。わたし自身の心の中のペットボトルから、不安があふれ出ます。

いろいろ微調整を繰り返した結果、2週間までなら母も問題なく帰京しても大丈夫という結論に至りました。こういうサイクルを繰り返していると、母の中では息子が「常に」家に居るような感覚も芽生えているようで、

あら、あんた今日来たの!ずっといると思ってた

とよく言います。いい錯覚状態にあるなと、正直思ってます。

別居介護で家に帰れない理由

わたしのようなフリーランスで時間を自由に使える立場なら、帰る頻度の理想サイクルを追い求めると思います。しかし、多くの方はこんな理由から家に帰ることができません。

  1. 交通費などの経済的な問題
  2. 仕事が忙し過ぎて、時間が取れない
  3. 移動が大変なので、体力的に厳しい

あとは帰って「あげられない」という責任感との戦いもあります。帰れない期間が延びれば延びるほど、増してくる罪悪感。子どもとして、嫁としての責任を感じ、自分自身とどう折り合いをつけるか・・・折り合いがつかなければ、電車や車、飛行機に飛び乗っているはずです。

「どれくらい連絡をとる?」世界の事情

内閣府の調査(2015)で「別居している子供を持つ高齢者(60代以上)が、別居している子供と会ったり、電話等で連絡をとったりしている頻度」という資料があったので、こちらをご覧ください。(ちなみに介護は関係ありません

日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの比較なのですが、日本でも別居している子どもと週1回以上連絡している方は半分近くいるんですね。でも他国と比較すると、連絡する頻度はこの中では一番低いです。そもそも別居している子どもがいないという答えも、日本が一番です・・少子高齢化?

メールやLINEを使いこなす高齢者もいますから、以前よりは連絡の取りやすい世の中だしインフラは整っているのですが・・・

男女で見ると、やはり女性の方が親と連絡をマメにとっているようです。わたしは男性なので、割と連絡を取らなくてもいいと思ってしまうタイプです。認知症介護する前なんかは、年数回ということもありました。

本当は介護している人のデータを見ようと思ったら、この資料は介護者の人数が恐ろしく少なくてデータとしては使えませんでした・・・

監視カメラでチェックしたり、ケアプランを工夫して訪問看護師さん、ヘルパーさん、理学療法士さんが家に来てくれるので、母を見る態勢はできています。自分自身の会う頻度は、アウトソーシングすれば不足分をカバーすることはある程度できます。

それでもやはり、自分の目で見ないと分からないことも正直多いです。家の中の様子までは見れませんし・・・やはりどこでもドアの開発が必須かと思われます。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか