遠距離介護の悩み・困りことベスト3

遠距離介護

遠距離介護のデータはネットで探してもあまりなく、たどり着くのはだいたい遠距離介護コミュニティーNPO法人パオッコさんのデータです。

今日はそのパオッコさんの過去のアンケート結果で、ちょっと面白いなぁ~と思った、”遠距離介護をするとどんなことに困りがちですか?” というアンケート結果です。その中でも上位3つについて記事にしようとしたら、過去に取り扱ったものが多かったので、記事と絡めてまとめてみました!

1位:遠距離介護の交通費

随分、ピンポイントなものが1位だなぁと。リアルな感じがアンケートに出てますよね~ そんなわたしも当初は、交通費が1番の課題でした。どうやって月10万円の交通費を削減したか? という記事にも書きましたが、今では月10万円の交通費はいろんな策を講じて、4万円以内にするように努力しています。

成年後見制度を使って、介護する側 ”も” 財産を守るということを私はしました。早い段階で交通費が月10万円を超えてくれて、尻に火がついた感じです。このままでは最後破綻しちゃうなぁ~、自分が。その想いがあったから、この制度を利用したおかげで、今は自分の財産を痛めることなく、遠距離介護ができています。

ちょっとそれますが、”遠距離介護の定義” って何でしょう?ある学生の論文の ”遠距離介護の定義” は、65歳以上の介護する人がいて、片道3時間以上の人と定義していました。でもこれって、定義できないですよね?50歳の若年性認知症の母を持つ人で、片道5時間かかる人だって遠距離介護ですし・・・、80歳の要介護度4の家族がいて、片道1時間でも遠距離介護と言えば遠距離介護。

パオッコさんがよく言う、100人いたら、100通りの遠距離介護がある というのが正解で、定義できないですよね。自分の中で遠距離介護って思えれば、それは全部、遠距離介護と定義されるんでしょうね?続きまして、第2位です。

2位:遠距離介護の心身疲労

男性介護と女性介護の違いってなに? という記事にも書きましたが、性別によってこの ”心身疲労” にも傾向があるようです。遠距離介護は、普通の介護に比べると、精神的負担は小さいと言われています。これは24時間在宅介護の方よりも、患者さんと接する時間が少ないため、精神的な負担は小さいということです。

男性は遠距離介護だと経済的負担が多い(これが交通費)と感じ、女性は周りの目を気にするため、精神的負担も大きいと感じる傾向があります。性別問わず考えると、やはり遠くにいることで、気になって仕方がない、移動自体が体力が必要で疲れる、仕事や子育てとの両立など、遠距離介護での負担は大きいです。

3位:帰省できない

わたしはこの3位が、実は一番ストレスであり、あとあと人生後悔するんじゃないか・・・って思います。”帰省できない” って、要は遠距離介護をしたくてもできない!もっと介護が必要なのに、忙しくて行けない! という環境の事であり、ご自分の家庭や仕事を優先する環境下の人たちです。

この状態の方は、介護認定を受けて、ヘルパーさんをうまく活用したり、民間サービスを絡めながら、ある程度誰かに頼ることで解消できる部分は結構あると思います。ただ、最終的なすべての介護マネジメントは、やはりご自分です。誰かのサポートを受けるのは、あくまでサポート。メインの部分は、やっぱり自分でやらないといけないと思います。

うちは認知症の状態が軽度なので、いまやらないとこの先もっと認知症が進行して、大変なことになる!ということがあったので、仕事を辞めました。これで帰省できないという状態を回避できましたが、自分の生活は若干厳しくはなってしまいました。でも今はこの選択は正しかったと思っています。

今日もまた新幹線に乗って実家へ帰ります~


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか