介護者のための「要介護認定」を考えてみた!

要介護認定

SNS、ブログコメント、リアルでお会いした方など、いろんな介護者からお声を頂きます。そんな皆さまを勝手に分類して、「介護者のための」要介護度なるものを作ってみました。

要介護認定は、介護される側に対して行うものですが、介護する側(介護者)にも要介護認定は必要じゃない?と、急に思いました。認知症を例に、介護する側の要介護認定を表にしました。

介護者のための要介護認定・判定基準

要介護1・介護をひとりでやろうとする(周りの目が気になる)
・責任を強く感じ、頑張り過ぎる
・認知症ではない、年相応のもの忘れだと思い込む
・自分の常識を、認知症の人に当てはめようとする
要介護2 ・認知症の人に悪く言う
・認知症の人に手を挙げる
・いつも感情的になる
要介護3・認知症介護に疲れてしまう
・認知症介護をする気が失せる(介護放棄)
要介護4・相談相手がいなくなる
・自らのSOSを発信できない
・経済的に孤立する
・社会からも孤立する
要介護5・介護うつになる
該当なし・介護で困ったら、人に相談できる
・介護仲間がいる(リアル or ネット)
・介護サービスを利用できる
・認知症を受け入れている
・精神的に余裕がある
・経済的に余裕がある
・力が抜けている

ちなみに、わたしは「該当なし」です。要介護状態にならないよう、ブログを書いて自分を客観視してます。そして、支えてくださる方がたくさんいますので(リアルの場も、ブログ読者の方も)、孤独をほとんど感じません。

調査員を派遣して、介護者に対して一次判定、二次判定をすべき!みたいな提案ではなく、目安としてどうかなと思って書いてます。この表の要介護3な介護者が身近にいたら、声かけたくなります。

要介護5の介護うつになると、自分の意識をコントロールできなくなってしまい、衝動的な行動・・・例えば介護殺人、介護自殺というステップまで、無意識にいってしまうこともあります。

介護者が要介護状態にならないための役割を果たしているのが、地域にある認知症カフェであったり、民生委員であったり、ブログやSNSなどネット上のゆるいつながりも含まれます。

介護職の方々が、社会を変えようと奮闘されている姿をSNSでよく見かけます。すげー、かっこいいです。わたしは、そこまで志が高くなくて、目の前の母が安定することが、常に第一目標です。これだけは、絶対にブレてはダメ!そこに向かっている奮闘記を発信して、お役に立てれば・・・という思いでブログやってます。

「自分の心に余裕がないと、人を励ますことなんてできない」と、わたしは思います。介護者の皆さま、ぜひ「該当なし」になって頂いて、自分の介護に少し余裕ができたら、困った介護者にひと声かけてあげてください。

たった一言で、救われることってありますよね。わたしは一方的に発信しておりますが、救われたとかラクになったって言ってもらえるのが、何よりもうれしいです。この基準も加えたらいいとか、もしありましたらご意見ください。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

3件のコメント

私の今の状態は「該当なし」だと思います。
それは、相棒や、相棒の職場の方々(介護の先輩、介護施設のことに詳しい方々がいます)、介護職をしている相棒のお母さん、母が入っている施設の介護職の方々のおかげです。
そういえば、社協主催の認知症カフェにも勇気を出していってみたことがありましたっけ。
そういった方々に関わることで、自分が精神的に余裕を持つ事ができたし、自分たちの状態を客観的に見る事ができたし、ネットでいろんな情報を見つけることも、それを利用することも出来ました。
くどひろさんの「しれっと、しれっと」というフレーズにも随分救われています。
もっと早くに、このサイトに出会えたらよかったと思っています。

でも母が在宅だった頃の弟家族への対応は、私はダメダメでした。
もっと早くに「該当なし」にまでなって、手助けできたらよかったのでしょうね。
母をみてもらってることに対しての遠慮、そこから自分の思うような介護が出来ないことへの怒り、
彼らへの過度の期待、それが満たされないことに対しての怒り、
なんかもう恨みに思ったり、イライラしてばかりでした。
今もうまくやってるとは言い切れませんけど、あの頃の彼らの心情を慮ることはできるようにはなりましたよ^^;

わかなまるさま

なんと、しれっとが救いに?

ありがとうございます!大丈夫です、今からでもじっくりブログにおつきあい頂けるとうれしいです。過去を冷静に振り返ることができて、いいですね。わたしも祖母の介護の失敗したところは母にはやらないようにと、いつも思っています。

くどひろサン こんにちは
私も おかげさまで ほぼ「該当なし」かなと…。
でも時々「要介護3」になります!
同じ質問をエンドレス、
眠らない夜の5分10分おきのトイレ通いが朝方まで続く時、
そのたびに心臓をわしづかみされるような感覚になり お願いだから落ち着いてと叫びたくなります。
でも まだしれっとを忘れないでいれるので 何とかほぼ「該当なし」❕
叫びたくなったら「要介護3の女になっちゃうよ」と自分に言い聞かせますか~❕

いつもありがとうございます

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか