座間清先生の「誤診だらけの認知症」という本を読んでの感想

誤診だらけの認知症

ざまクリニック所沢院長・座間清先生の「誤診だらけの認知症」という本を読んでみました。

なぜこの本を読もうと思ったかというと、Amazonで自著を買った人が合わせて買う本に表示されたから、タイトルがキャッチーだったからです。特に大した理由もないことがバレてしまったのですが、認知症関連の本を最近は読んでないので、原点回帰という意味で購入しました。

医師が認知症を誤診する4パターン

医師が認知症を誤診してしまうパターンには、下記の4つがあるそうです。

1.画像盲信型
2.所見見逃し型
3.画像盲信+見逃し型
4.知識欠乏型
引用元:誤診だらけの認知症(幻冬舎)

画像盲信とは、脳のCTやMRIを撮影しても、残念ながらその所見だけで認知症を診断することはできないという意味です。医師にCTやMRI画像を見せられて説明を受けたら、ほぼ100%家族は医師のいうことを信じますが、認知症と診断したその根拠を医師に確認したほうがいいそうです。

「所見を見逃して、知識が足りない医師がいる」と医師が言っているのですから、家族にとってこれほど怖いことはありません。わたしはたまたまこういう知識を最初に得て、病院探しをしたから良かったのですが、こんな誤診パターンがあるなんて、ふつうは思いもしません。

4パターンを読んでみると、医師という職業うんぬんよりもその人の人間性、認知症とどれだけ本気で向き合う気があるかを見抜くことが、家族は大切だと感じました。文中に「割に合わない仕事」というコトバが出てくるのですが、30分から1時間を要する問診がまさにそれです。

残念ですが、医師への疑いや人間性を見極めるという意識を「少し」持つことが、認知症治療の自己防衛につながるんだと改めて認識させられました。

認知症の「全てが治る、改善する」という見出し

本の中に、この小見出しの話が出てきます。こういったキャッチーな見出しについての、わたしの意見です。

外部でコラムを書くとき、記事タイトルや小見出しは編集者に変更されることがよくあります。それは本も同じで、他の著者に聞いても同じことを言います。

どうしても自分でタイトルをつけると遠慮がちになってしまうところがあり、いい意味で「スパイス」を加えてくれるのが編集者だと思います。わたしの場合は、話のオチや文章を大きく変更するのはダメだけど、それ以外に関してはよっぽどのことがない限りはOKしています。

DeNAが運営していたサイトWelq問題の影響で、こういうあおったタイトルをWEB・紙媒体ともに自粛する流れが今はあります。介護家族の防衛策としては、タイトルや見出しだけで判断せず、内容をよく読むことが大切です。タイトルにあるクエスチョンマークひとつも、意識が必要です。「認知症が治る?」と書いてあったら、クエスチョンマークをきちんと読んで、治るかもと変換して読まないといけません。

スマホでななめ読みをすることが多くなっている今だからこそ、よく読んで考えるクセが必要なように思います。タイトルや見出し=著者主張ではないことは、よくあります。

どんな人向けの本か?

認知症になったら、医者のいうことを聞いておけば大丈夫と思っている介護家族が読むと「へぇ~」となると思います。ただ、家族の方が読むと難しいところもかなりあります。わたしも母に当てはまらないであろう症例は、読んでません。介護家族の医師盲信を解くきっかけにすると、いいかもしれません。

今日もしれっと、しれっと。

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4 件のコメント

  • アルツハイマー・レビー小体型・脳血管性・ピック病は、病理学的な診断、言い換えると脳の変化により原因を分類したもの。
    それに対して、前頭側頭型認知症は、どの領域の障害により症状が出ているか?と言う分類法で、臨床現場で使いやすい分類方法。
    症状から、前頭側頭型認知症と言う診断をつけるのは有りだと思います。
    ただ、前頭側頭型認知症の原因となると様々な原因病名が挙がってしまいます。
    アルツハイマー・レビー・脳血管性・進行性格上性マヒ・大脳皮質基底核変性症などが様々な原因病名が、前頭側頭型認知症の原因病名として挙がります。
    このため、前頭側頭型認知症に対する治療は、前頭葉症状に対するクロルプロマジンやニューレプチルなど症状に対するアプローチと、脳血管性ならプレタールの追加など・・・多面的に考えてアプローチして行く事が必要です。
    レビーに合併する前頭側頭型認知症の場合、中脳レベルのアセチルコリンは減少しているが、大脳辺縁系のアセチルコリンはむしろ増えていると言う事もあり、抗認知生薬の選択は難しくなっています。
    コウノメソッドは、認知症の治療経験の少ない医師でも迷くことなく治療出来るようにと考えて作成されたもの。コウノメソッドの有効率が100%で有れば、なんの問題も無いんですけど、そうではない事から新たな悲劇が生まれているのです。それを目の当たりにした座間先生は、早々にコウノメソッドと縁を切りました。
    コウノメソッド実践医の中でも、自分で考え判断する能力のある医師は、コウノメソッド離れが目立ちます。

  • 小関先生

    座間先生のお名前をどこかで見たような気がしていたのですが、そういうことだったんですね。ハッキリ本には書いてないけど、思い出すとそういうことかと理解できる部分がいろいろとあります。今はどこにも悲劇は潜んでいると思うのですが、紆余曲折を経ながらもいずれ家族はどこの病院を選んでもハッピーな環境になることを願うばかりです。勉強して自己防衛する必要のない時代が来ないかな・・・

  • 高齢者を、金のなる木と見ている医療関係者(製薬会社を含む)が、多いです。
    その頑強は、高齢者の自己負担が1割なこと。高い薬でも、自己負担が少ないので、薬が多くても通院を続ける。薬代だけ、現役世代みたいに、3割にすれば、少しは変わるかも知れない。

  • 匿名さま

    確かにおっしゃるとおりですね。医療・介護保険料、サービス料の負担増は今年、来年と始まりますし、増え続ける社会保障費の抑制を国もしないといけないですから、少しずつ変わっていくかもしれないですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)