連載「知ってトクするしれっと認知症介護」に寄せられた読者の声をご紹介します!

知ってトクする認知症介護

先日、このような記事を書きました。

知ってトクするしれっと認知症介護

わたしが書いたブログやコラムの記事には、ネットやSNSを介してコメント、メールでご意見を頂くのですが、この連載についてはおハガキやFAXなどでも声が寄せられ、後日わたしがまとめて読むというシステムです。

読者層の年齢が高いということもあると思うのですが、ペンを握るという行為はキーボードを叩く以上にハードルが高く、「よしっ!」という気持ちがないと出来ないことだと思っています。

そういう意味で、ペンを持たれた読者の皆さまには大変感謝しております。その中で、最も長い2枚の便箋で感想をくださった、88歳の男性をご紹介します。

一生懸命書いてくださったその思いが尋常じゃないくらいに伝わり、正直泣けました。誤字脱字もあり、読みづらい箇所もあります。一部省略もしてますが、ほぼ原文で再現したのがこちらです。

88歳男性のご感想

『工藤広伸さんの体験を拝見、本当にご苦労な事が良くわかります。私は妻を介護を12年過ぎました。私88才、妻89才です。妻は現在要介護4です。毎日宅老所へデーサビスを受けて居ります、周6日です。妻は75才頃物忘れと妄想が激しく病院の神経内科の診察結果アルツハイマの初期と診断されましたので近くの医院へ移りました。最初の診断がおわると同時にこの病気は前へわ進むけど後へはもどらない。(略)そして有る宅老所の所長が話されました。認知症の患者にはどんな失敗しても怒ることが無駄、絶対に怒ってはいけない、幼児の子守と同じなんだ諭されました。(略)
私は妻とユウモアな会話(片言)でやる事です。今日まで介護しても憂鬱な日もなく楽しく介護しています。介護わ各家庭環境異なりますので私の介護の事で参考になったらとペンをとりました。老人が故、乱文乱筆な事をお許しください

ありがとうございます、とても参考になりました!

74歳だった男性が妻の認知症介護を始めるとき、わたしはどうしても昔ながらの亭主関白を思い出してしまいます。そういう時代背景だったから、なかなか奥様に優しくなれない男性もいると思うのですが、ユウモアで接してらっしゃるのですね、かっこいいです!

省略しましたが、奥様は50日の入院後寝たきりになったそうです。毎日のリハビリの結果、4か月で補助つきで歩けるようになったそうです。

88歳の男性が13年奥様を介護していて、ユウモアな会話が大切・・・そして憂鬱な日々もないと。読みづらいところがまた、わたしの心を揺さぶるといいますか、必死にペンを握る姿を想像するとどうにもうれしくて。

こういったハガキで意見が寄せられるという感覚が新鮮で、たくさんご意見を頂いております。まだ1回分しかありませんが、いくつかご紹介します。

わたしのブログを読んでいるメイン層は40歳から60歳くらいの女性が多いのですが、今回の連載に頂く声はもうちょっと上のシニア層の方々が多いです。44歳の言葉が、その層にも届いているんだ・・という、自分の言葉や体験が年齢を超えていく感じが楽しいです。

連載の内容は本やブログとは変えているのですが、わたしの2冊の本に対する感想と置き換えて読んで頂いてもいいかもしれません。別のご意見も、ご紹介します。

寄せられたご意見

工藤さんの介護体験を興味深く読みました。若い年代で認知症に詳しい人は少ないですね。また、どの対応がその人にあうかは本当にわからないのも事実。私にも軽い認知症の要介護1の85歳の父がいます。時々父の様子をみにいくのですが、娘としての義務感から自分がイライラして自己嫌悪することも多いです。工藤さんの「人の心を変えるのは難しい…でも自分の心を変えるのは簡単」という言葉にはぁ、としつつ、希望がもてました!(55歳女性)

工藤広伸さんの連載に期待します。「二つの心得」の一つ目、介護者はムリせず…に共鳴。地元の男性介護者の会の名前を何にしようかとなり、介護者が幸せでなければ介護されている人も心から休めない。安心していられないとなり、私が提案して会の名前が男性介護者の会「幸」となりました。みんなに幸あれと願っています。工藤さんの心得に賛成です(75歳男性)

「知ってトクするしれっと認知症介護」連載が始まりました。義父(92歳)、義母(89歳)の同時介護が始まり、毎日が底なしの沼のようです。幸い困った時には近所の友だちに助けてもらい、心の支えになっています。何事もないかのような「しれっと」した介護を私も心がけていきたいです。今後の記事を参考にしていきます!!(61歳女性)

「しれっと認知症介護」の連載、期待するところ大きいです。自分も含めて「いつかは行く道」と覚悟してはいますが、必要な知識は身につけて接したいと常々思っていました。「しれっと」がいいです。肩から力が抜けてホッとする思いです。来週も楽しみです(69歳女性)

2月5日号から始まる「しれっと認知症介護」興味深く読みました。「介護はムリせずラクしよう」「自分の心を変えるのは簡単」なるほど、なるほど。認知症介護は、体よりも介護者の心が折れないように。これからがたのしみな記事です(78歳男性)

まだまだご感想、ご意見を頂く機会がありますので、たまにブログでご紹介したいと思います。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか