林真理子さんの介護小説:我らがパラダイス「介護では優しい人間が負けるのだ」

我らがパラダイス

林真理子さんが毎日新聞で連載していた介護小説「我らがパラダイス」を読み終えました。

盛岡にあるさわや書店の松本大介さんがラジオで薦めていたのがきっかけでこの本を手に取ったのですが、面白いです!インスタに載せた本の写真がこちらで、帯を読んでみてください。

東京・広尾にある介護付きの高級マンション「セブンスター・タウン」。48歳、52歳、54歳の女性が抱える介護、そして経済的な格差。お金があるとないとでは、こうも環境が違うという「介護格差」を描いています。(記事タイトル下の写真、裏表紙の帯も読んでみてください)

早くも映画化が決定しているこの本ですが、455ページとボリュームがあります。でも、読みやすいので、サラッといけると思います。

現役介護者なので最初はザワザワした

おそらく50代女性がこの本を読むと、今直面している介護や家族(親族)の問題に共感すると思います。わたしはそのドロッとした感じがイヤで、最初読み始めたときは少しイヤな気持ちに正直なりました。

介護に関しても、よく分かるだけに共感・・・それが「共感疲労(わたしの2冊目の本に詳しく書いてあります)」を起こしそうになり、カフェ越しに外の景色を見て自分の頭の中をリフレッシュして、また読むという繰り返しでした。

ところが、途中からは完全にエンターテイメントの世界へと導かれます。なるほど、これは映画化したら面白い!どんなキャスティングになるだろうと考えながら、最後まで読み切りました。

介護では、優しい人間が負けるのだ

本の帯に書いてあるこの言葉

「介護では、優しい人間が負けるのだ」

すごいキャッチコピーだなって思いました。詳しくは本を読んで欲しいのですが、たぶんこれに当てはめるとわたしは負けです。ただ、勝ち負けを誰とも競ってません。

「介護は自分がやる」

と思っていたからですが、こう思っていない人も正直多いわけで。介護の押し付け合いということは、正直ありますよね・・自分の家庭の事情、金銭的な問題、相手側(夫や妻)の親族の問題など、複雑に絡み合ってます。

変に期待したり、分担しようとするから面倒なことになると、単純なわたしは思ってしまいます。うちだったら、出ていった父親に

くどひろ
家出したとはいえ、自分の奥さんが認知症になって、何とも思わないの?

とか言って、介護を期待するような感じでしょうか?

でも、全く期待していませんし、この先も期待することはないです。それに対して不満があるかと言えば、ほぼないです。腹くくって介護をやると思わないと、だいたいこういうドロドロになるよなぁ・・そう思いました。

お金が生む「介護格差」のはなし

この本を読むと、お金のある家の介護とそうでない家の介護の格差を痛感すると思います。やっぱりお金のある家は、いい介護が受けられると感じるでしょう。

でもわたしが思うに、最低限のお金は必要ですけど、やっぱり最後は「人」じゃないかなと綺麗事のような事を言いますが、本気でそう思います。高級な有料老人ホームに入れてしまったら、介護者は安心して思考停止状態になるんじゃないかと。会いにいく回数も減って、久々に面会したら「どなたですが?」と言われ、猛省するみたいな・・・

もちろん、自分の人生にフォーカスできるからそれも正解なんですけど、介護施設に対して全幅の信頼を寄せるよりも、実は「程よい」不信感を持っているほうが、介護者にとっては幸せなんじゃないの?そう思います。

思考停止にならないための、自分自身のための「不信感」を兼ね備えておく・・・なに言ってんの?と思われるかもしれませんが、自分で考えるってやっぱり大切です。

途中は介護のイヤな感じがして、大丈夫かな・・・と思って読み始めましたが、振り返るとこれはエンターテイメントです。さすが林真理子さんだと、思いました。痛快だし、笑っちゃうと思います。振れ幅がハンパないです。

「ルンルンを買っておうちに帰ろう」世代のみなさま、いかがですか?著者対談があるので、こちらも合わせて読んでみてください。

今日もしれっと、しれっと。

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