介護家族のブログは「にほんブログ村」などで検索するしかなくなる理由

介護施設検索

12月6日に、googleが「医療・健康の検索結果の改善」を行ったというニュースがありました。これによって、例えば「認知症」と検索すると、製薬メーカーの書いたサイト、厚労省などがgoogleの1ページ目に並ぶようになっています。

Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。Google では、医療や健康だけに限らず、今後も継続的に検索の改善に取り組んで行きます。
引用元:https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/for-more-reliable-health-search.html

このアップデートのメリットは、例えばインターネットをうまく使いこなせない人や検索結果がすべて正しいと思っている人が「がんが治った」「認知症が治った」といった検索をした場合、今までは不正確だったり、怪しかったりした情報も上位表示されていました。

しかし今回のアップデートで、そういった記事は検索結果に表示されないようになりました。「WELQ」や「ヘルスケア大学」などがデタラメ健康記事を大量に作って問題視されてから、こういう流れになっています。そして、googleはこうも言ってます。

現在、毎日数百万件以上の医療や健康に関する日本語のクエリが Google で検索されています。これを分析してみると、医療の専門用語よりも、一般人が日常会話で使うような平易な言葉で情報を探している場合が大半です。日本のウェブには信頼できる医療・健康に関するコンテンツが多数存在していますが、一般ユーザー向けの情報は比較的限られています。

もし、あなたが医療関係者で、一般のユーザーに向けたウェブでの情報発信に携わる機会がありましたら、コンテンツを作る際に、ぜひ、このような一般ユーザーの検索クエリや訪問も考慮に入れてください。ページ内に専門用語が多用されていたら、一般ユーザーが検索でページを見つけることは難しくなるでしょう。内容も分かりづらいかもしれません。
引用元:https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/for-more-reliable-health-search.html

その信頼性の高いとされている権威あるサイトは、本当に介護家族には読みづらいものが多いです。だから、分かりやすい平易な言葉で書きなさいと、googleは言っています。それができる医療関係者が増えればいいのですが、アップデートされたばかりなので、今検索するとわたし好みでないサイトばかりが並んでいます。

影響を受けた個人の介護ブログ

医療・健康系に「介護」も含まれるのか・・・わたしのブログの検索結果を見てみると、いくつかの記事はgoogleに全く表示されなくなっています。なので、介護ももれなく影響を受けています。

特に介護においては、権威あるサイトばかりが並ぶと、いわゆる教科書的な答えしか見つけられなくなってしまいます。どのサイトを見ても、同じような答えしか載ってない・・・だから、わたしは個人の介護ブログを見ては「この話、絶対製薬メーカーのサイトには載ってないけど、認知症介護のあるあるだ!」そんな情報の取り方になりそうな気がします。介護家族の実体験はわたしには宝物ですが、そこはgoogleには評価されないようです。

もちろん権威あるサイトを見に行くことは、最初のアプローチとしては大切です。しかし、介護が進むにつれて本当に欲しいのは教科書的な話ではなく、介護家族の葛藤や工夫などを知ることです。その検索が難しくなってしまいました。

となると、今後お世話になるサイトは「にほんブログ村 認知症」、「にほんブログ村 遠距離介護」といった、個人の介護ブログが集まったところで検索するほうがいいような気がしてきました。あとはTwitterやSNSなどで、地道に拾っていくしかないかな・・・

わたしも何割というレベルでアクセス数か減少しましたが、まだいい方なのかもしれません。というのも、googleやYahooなどの検索からいらっしゃる割合は多いのですが、長年読んでくださるファンの方も多かったから、救われた部分もあります。検索キーワードに頼らない記事づくり、ファンの方々を増やす、SNSの利用などがこれまで以上に介護ブログ運営には求められる時代になるのだと思います。

今日もしれっと、しれっと。

 


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか