介護家族や介護職にもオススメの認知症医療本「明日から役立つ認知症のかんたん診断と治療」

明日から役立つ認知症のかんたん診断と治療

今回ご紹介する新刊は、誠弘会池袋病院副院長・平川亘先生の著書である「明日から役立つ認知症のかんたん診断と治療」です。医学書としては安い、介護家族には高いけどお値段以上の価値がある本だと思います。

平川先生の講演を、2回ほど聞きに行った時の記事はこちら。

家族目線で分かりやすく解説「認知症の薬の副作用」について

2017.03.01

認知症によく効くお薬「シロスタゾール」に要注目!

2016.03.16

この本をたまたま本屋さんで見つけて軽く立ち読みをし、値段(4,500円+税)を見て、そっと棚に戻しました。かかりつけ医に「平川先生の新刊が出ましたよ!」とご報告すると、「買いました」と返信が。ダメ元で「ちょっとお借りできますか?」と聞くと、「いいですよ」ということで借りて読みました。

介護家族や介護職にこの本を紹介したいと思った理由

本の最初・序というところに、こう書いてありました。

認知症の診断と治療の一番簡単な本として、介護職の方々や認知症患者さんのご家族の方々に手にとってもらいたいと思います。
出典:明日から役立つ認知症のかんたん診断と治療

お医者さんの本なのにポップな表紙(記事タイトル下写真)で、認知症の方の写真がbefore after形式(お薬の扱い方を変える前後の表情)でたくさん載っています。しかもカラーなので、家族や介護職の方も読みやすいです。お値段が高いと感じるのは介護家族だけで、医学書の分野では激安です。

認知症のお薬、アリセプト、リバスタッチ、レミニール、メマリー、プレタールの「失敗しない使い方」について書いてあります。また巻末には、お医者様がデスクマットに挟めるあんちょこ「認知症のかんたん診断と治療(まとめ)」の付録までついています。アルツハイマー型、レビー小体型、ピック病、脳血管性、それぞれどのお薬がいいのか、分かります。

わたしは平川先生の講演会に参加して、お薬の扱いを変えた前後で激変した認知症の方を動画で見ました。本なので動画では見られませんが、それでも表情や姿勢が大きく変化していることが写真を通して分かると思います。

介護職や家族にも手にとってもらいたい・・・そう書いてあったし、確かに読みやすい作りになっていたので、ご紹介しようと思いました。(値段で棚には戻しましたが)

家族や介護職が「自分事」として読む方法

今処方されているお薬の種類や、量がどれくらいか、ご家族でも理解できると思います。例えばメマリーを飲んでいる方ならば、平川先生曰く、20㎎を服用できる患者さんは3割しかいないそうです(眠気やめまいの副作用があるため)

レミニール、アリセプト、リバスタッチなど、それぞれのお薬の量、増やし方、副作用について、詳しく書いてあります。とにかく超具体的で、お薬を減らした認知症の人がどう変化したか写真で分かります。

この本でも、認知症のお薬の扱いの難しさを痛感することになります。皆さまが今お世話になっている病院が、こういった意識で治療してくれるのであればいいのですが、そうでない事も多々あります。

日に日に症状が悪化しているご家族、利用者さんがいるようでしたら、この本と現在服用されているお薬の量をチェックするだけでも、何か見えてくるかもしれません。

あとは近くにいい病院がなくて、やむを得ず近所のものわすれ外来に通っているご家族なんかも、この本でお薬の量をチェックしてみると、医者を変えるきっかけになるかもしれません。18年間の蓄積された実践データなので、説得力があります。

いくらユマニチュードだ、パーソンセンタードケアだと言ったところで、間違ったお薬を飲み続けていれば、焼け石に水。お風呂の浴槽に栓をしないで、お湯を溜めようとしているようなものです。

うちはこの本に書いてある治療法を、講演会で聞いてから実践中です。プレタールとグルタチオン点滴を利用しています。抗認知症薬と呼ばれるアリセプト、レミニールなどは飲んでおりませんが、母は安定しています。

ということで、家族にはちょっと高いのですが購入します。母の認知症が進行して、抗認知症薬が必要になった場合のことを考えての購入です。とはいえ、かかりつけ医が本を持っているから心配いらないと言えばいらないのですが・・・

そのうち現時点でオススメする認知症本一覧を作ろうと思っていますが、医学書部門にエントリーするつもりです。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)