「3つのピック病」の特徴とその症状

ピック病の特徴と症状

認知症の母(70歳)はつい最近、アルツハイマー型認知症からピック病(前頭側頭葉変性症)へと診断が変わりました。ピック病に関しては、今まで下記2つを記事にしました。

今日は「ピック病」を細かく分けると、3つの種類に分類され、それぞれはっきりとした特徴があるのでご紹介します。

前頭側頭型認知症

うちの母は、この前頭側頭型認知症に属しています。50代や60代前半で発症することも多く、また同じ行動を繰り返す 「常同行動」 が特徴です。この常同行動を遮るような事をすると、かなり怒ります。うちの母の場合だと、

・夕食を食べ始める時間は17時40分から
・そんなに雪が降ってなくとも、決まった時間になると 「雪かき」 をはじめる
・ご飯を炊くときは、1人暮らしでも1回につき必ず3合炊く

これらを変えようとすると、かなり怒ります。もっと強い 「常同行動」 もありますので、うちはまだ緩やかな方です。こちらに関しては上記2つの記事に詳細に書いたので、ご覧ください。

意味性認知症

言葉の 「意味」 だけが消えていくという認知症です。

「りんご」

を見せて、「これは何ですか?」 と質問しても分からない。さらに、「りんごって何?」 とまで聞いてきます。まるで初めて見たかのような対応です。わたしがお世話になっているコウノメソッドでは、こんな質問をして判定します。

「サルも木から?」「弘法も筆の?」   

意味性認知症の方は、このことわざの続きの回答ができません。うちの母は即答できるので、意味性認知症ではないという判断になります。

進行性非流ちょう性失語症

これはスムーズに言葉が出なくなる というのが特徴です。でも、アルツハイマー型認知症の特徴である、”もの取られ妄想” であったり、レビー小体型認知症にある、”幻視” などが見られません。

ピック病についてはまだまだ情報が少ないし、誤診されることもあります。我が家はピック病という判断ではありますが、アルツハイマー型認知症の特徴であるもの取られ妄想もありますし、とても微妙です。関連書籍もまだ少ないので、情報収集してブログで公開していきたいと思っています。

ピック病の症状と治療 ―コウノメソッドで理解する前頭側頭葉変性症

ピック病の症状と治療 ―コウノメソッドで理解する前頭側頭葉変性症

河野 和彦
6,600円(03/29 01:52時点)
Amazonの情報を掲載しています

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか