認知症で病院を受診する時にやっておいた方がいいたった1つのこと

うちの母(69歳)はアルツハイマー型認知症の軽度と診断されたのですが、この診断の時(初診)にひとつ困ったことがありました。コウノメソッド実践医からのこの質問ですが、みなさんならどう答えますか?

『お母さんと生活されていて、どういった事が起きますか?』

若干アバウトめな質問なのは、母が ”軽度” の認知症なので、できるだけ ”認知症” という言葉を使わないお医者さんの配慮です。もし、この質問を直球に言い換えるなら、

『お母さんと生活されていて、実際どういった認知症の症状がありますか?』

となります。こう質問されたら、微妙に質問を理解できる認知症患者の前で、『同じ事を何回も繰り返す』 とか、『曜日感覚がない』 とかそういう事を言えますか?わたしはとても言えません、でどうしたかというと・・・

認知症の症状は日頃からリスト化すべし!

急にお医者さんの前で、日頃起こる認知症の症状をすべて正確に伝えることってできませんよね?人間なので忘れてしまいます。それをリスト化することで、

1.お医者さんに認知症の症状を漏れなく正確に、伝えることができる
2.本人の前で認知症の症状をひたすら言うのは、本人にとってはマイナス要素。だからリストを紙でお医者さんに渡すことで、
  本人が耳にすることがなくなる
3.のちのち認知症の症状を振り返るのに、便利

リスト化は本で見たわけではありません。短時間で正確にお医者さんに伝えるにはどうしたらいいか・・・って考えていたら、たまたま ”リストがいい!” と自分の中でなりまして、それで実行しました。これが思いのほか、便利だったんです。

1.に関しては家族の想いと、お医者さんのスイッチが違うことがあります。感情的に日々の介護でこれが辛い・・・ってものを、そのままお医者さんが100で受け止めるわけではなく、感情的でない些細な出来事(認知症の症状)が実はお医者さんの目に留まることもあります。

2.に関しては、認知症患者の方から見ると、『自分はそんな事した記憶もないのに、なんでそんなこと言うの?』 という感じで、全否定されている感覚になります。そういう感覚を持たせること自体が、認知症を進行させてしまうので、それを回避できます。

で、わたしが最もお薦めするのが、この3.です。先ほどわたしは3か月前に作ったリストを見直して、現在この症状はどうなっているか○×で評価しました。そうすると、この症状はよくなっているとか、この症状はまだ治ってないとかとか、時系列で分かるようになります。経過観察は認知症ではすごく重要なので、リストはそういう使い方ができます。

ちなみにうちのリストは?

わたしが3か月前に作った認知症症状リストに挙げた項目は29個でした。最初はひたすら認知症の症状を列挙してましたが、似たようなものは集約してお医者さんには伝えました。お医者さんも時間ないですから、まとめたほうがいいです。

評価結果ですが、症状がなくなったものが3個、症状が改善されたものが9個、相変わらず同じ症状が17個という結果でした。(悪化はゼロ)

うちはブログ右側にもありますが、コウノメソッドを実践しています。この結果はわたしは満足していて、そもそも認知症はよくなる病気ではないので、改善や症状がなくなったものがあるだけで、わたしはハッピーだしラッキーです!

ちなみにわたしはリストをEXCELで管理しつつ、もうひとつの管理方法は・・・・”ブログ” です。認知症の経過報告は、読者の方にも参考にしてほしいと言う思いもありますが、自分が忘れてしまうから という理由もあります。ブログをやってみるってのも、手ですよね~


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか