認知症介護家族はデイサービス見学に必ず行くべき!

デイサービス

担当のケアマネージャーさんは、在宅中心ではなくデイサービスに通わせることを薦めてきました。わたしも実はそうしたかったのですが、これができないのには、大きな理由がありました。

デイサービスへの強い抵抗

デイサービスへの強い抵抗 とか デイサービスに行きたがらない あるいは デイサービスに行かせるには? ネット上でもこの質問であふれてます。わたしのような介護初心者でも、いろんな人とお話をする中で必ずこの話題になります。

うちの母は、認知症の祖母をデイサービスに週3回通わせていました。祖母がとにかくデイサービスに行きたがらなかったのです。でもですよ、デイサービスから帰ってくるとニコニコして、充実感にあふれているんです。というのを母は見ているので、後者の充実感よりも前者の拒否のところだけ覚えてまして・・・とにかくデイサービス、いや、デイって言葉を聞くだけで、強い拒否反応を示しました。

デイサービスに行ってもらった方が、いろんな方とお話ができるし、認知症の脳への刺激で母にはいいかなと思って、なんとか通わせようといろいろと考えてみました。最初のケアプランを作る時にデイサービスの所長さんが、実は同席していました。ケアマネさんの考えとして、ケアプランを作るミーティングでどっちに転んでも(在宅でもデイでも)いいように、初めからしておいたわけです。

実際ミーティングをしてみると、想定通り母は強い拒否を示しまして、結局デイサービスはケアプランに入れられませんでした。

40歳でデイサービス体験

百聞は一見にしかず!ってことで、デイサービスの所長さんにお願いして、デイサービス1時間見学&体験をしてきました。通信カラオケを使ってみんなで童謡や、昔の歌を歌いました。またカラオケに体操もついていて、座りながらカラオケの画面をみて、手足を簡単に動かすこともしました。すげーな、DAM!こんな使い方あるんだーって、びっくりしました。

今日の日付の確認や職員の方が、お年寄りのみなさんの話を一生懸命聞いてました。お風呂も順番に入ったり、その合間に所長さんともお話しました。所長さんが30歳でお若く、発した言葉が

『ホント、日々勉強ですよ。お年寄りから教えられることが多くって・・・』

ちょ、ちょっとかっこいい!危なく好きになってしまいそうなくらい(笑)、大人すぎるこの言葉。自分って小さいなぁ・・・って、この時思いました。

デイサービスに行って分かったこと

行ってみて分かったのは、施設は自分で目で見て確認したほうがいいということでした。母は69歳で軽度の認知症ですが、わたしが行ったデイサービスの平均は80歳以上。しかも中度以降の認知症の方が多く、会話が成り立たないのと、世代が違いすぎるなと。今の母ではアンマッチということが、行って数分で分かりました。もし強引にでも通わせていたら・・と思うと、ぞっとします。

ケアマネさんもデイサービスの全事業所を把握しているわけではないし、ケアマネさんにも独立系な方もいれば、併設している介護事業所をもった会社に所属している人もいます。所属している人は中立を謳いながらも、実際は自分のところへ・・・的な事もあります。

サービスは1時間しか参加しなかったのですが、歌を歌ったり、日付を確認したり、お風呂に入る事それぞれにちゃんと意味があって、ただサービスを提供しているのではない!と、いつもお世話になっている認知症110番の担当の方からあとで聞いて、なるほどなぁ~って感心しました。

そしてそして・・・介護の仕事に携わっている自分より若い子たちの姿が、むちゃむちゃ輝いてました!ぴかーって。重労働で給料が安いとよく言われますが、この人たちにどれだけの家族が助けられているかと思うと、ホント感動してしまって。上司がなんだとか、会議がなんだとか、中間管理職の悲哀とかいろいろサラリーマンにもあるんですけど、なんかそういうのってちっちゃい話だな・・・って。

で結局デイサービスは諦めて、在宅でヘルパーさんに来てもらう事に決めました。

認知症予防財団認知症予防財団

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2件のコメント

賛成です。
以前デイケアで勤務経験がありますが、1つは外来診療所併設、もう1つは入所施設併設でした。
不特定多数が出入りする外来と比べ、決まった方が利用される施設ではどうしても接遇が…よく言えばアットホーム、悪く言えばなあなあになりがちです。
外部の目が入ることで職員もピリッとしますし、時短パートなどなかなか送迎に関われないスタッフもご家族を知ることで話題にできたりもします。
「この間息子(娘)さんもいらっしゃいましたよ。素敵な方ですね。うちの子もあんな風に育てたいので子育てのコツ教えて下さい」なんて声をかけたら初めてで緊張されている体験利用の方も表情が和らぎます。
しばらく通ってお元気になられたのにご自宅では不活発のまま、なんて聞くと、学校の授業参観みたいに定期的に参観日があってもいいのにな、なんて思ったりもしてました。
長文失礼しました。

匿名さま

なるほど、最後の参観日案、すごくいいですね。スタッフの方も確かに家族の話を顔を思い浮かべながら話せるのと、そうでないのは大きく違いますね。
ありがとうございます!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか