今話題の「尊厳死」 と 「安楽死」 の議論について

アメリカ・オレゴン州の女性、ブリッタニー・メイナードさん(29歳)が、医師から処方された薬で安楽死したニュースが話題になっていますね。オレゴン州は余命半年と医師から診断されると、法的に死ぬことを認めている州なんですよね。

余命宣告を受けて分かったこと

ドラマでしか見た事がなかった余命宣告を実際受けてみて分かったことが、

「余命宣告はあくまで目安なだけ、命のゴールテープが初めて見える瞬間」

だなと。今まではゴールテープを持っている人すら見えなかったけど、医師から言われてゴール付近に2人ほどテープを持った人が突然現れる感じです。

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この2人は移動できるので、ゴールを手前に持って来たり、ずーっと遠くへ持っていったりを繰り返している感じです。結局単なる目安であって、余命半年と言われても意識こそすれ、信じすぎるのもどうなのかな?ということです。

祖母の余命宣告は2回あって、1回目は2年~3年と言われました。2回目はいきなり半年と言われて、さすがにその時はショックでした。大学病院の妙な会議室に呼ばれ、先生にレントゲン写真を見せられながら、余命を告げられました。看護師さんも2人いましたね。

実際は1年生きたのですが、病院での骨折がなければ2年以上生きたんじゃないかって思ってます。みなさまの周りにもいらっしゃるかと思いますが、余命1年と言われて3年以上生きることだってあります。

こういう経験をしたので、余命宣告の受け止め方は今後は全く変わります。何事も経験だよなって思います。

尊厳死

尊厳死は、患者の意思により延命措置を行わないことを言います。うちは娘2人が祖母の意思に成り代わって(本当は成り代わることはできない)、延命措置をしない、いわゆる尊厳死を選びました。

延命措置の説明で言われたのが、

「おばあさんに心臓マッサージで蘇生措置をすると、骨が折れることがあります」

90歳でしたし、体も細かったから折れますよね?痛そう・・・あと人工呼吸器、胃ろうや鼻からチューブを入れて栄養を送り込むなど、いろいろと延命措置はありますが、いつまで続けるのか?止めるタイミングを決められない、費用面など、いろんな話し合いがあって尊厳死を “代理で” 選択したのでした。

自分が病の痛みにどうにも耐えられない場合、死んでしまったほうがラク=安楽死 というのは考えるかもな・・・と想像できます。ただ痛みがない場合の余命宣告は、目安でしかないので死の準備はするけど、安楽死は選択しません。

こういうのはやはり代理で選択するものではないので、尊厳死を選択するかどうかは自分で意思表示すべきですよ!


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか