【認知症】 「親家片(おやかた) / 親の家の片づけ」 をうまくやるコツとは?

親家片

我が家の 「親家片(おやかた)・親の家の片づけ」、3本目の記事です!冷蔵庫や食器棚からこっそり食器や容器を持ち出して、自分の部屋の机の下に移動すること3か月。

机の下に集めた成果物↓
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だいぶたまってきたので、レンタカーを借りて車で30分ほどかかる山奥の廃棄処分場に持ちこむことにしました。

地方は車が必須なんですけど、購入しても使用頻度が低いので、いつもレンタカーを借りています。母を病院に連れて行ったり、数か月に1回は燃えないゴミや古紙を捨てに行きます。(遠距離介護で、ゴミ収集日と帰省のタイミングが合わないためです)

自転車で15分ほどかけてレンタカー屋に行き、車で自宅へ戻りました。

すぐ車に積めるようにと、車庫にでかい新聞紙3束、食器がたんまり入った段ボール2箱、使わないゴミ箱などを準備しておきました。それらを車の後部座席へと積み込みます。荷物を持った次の瞬間、”ものすんごい違和感” を覚えました。

食器や新聞紙を車の後部座席に積んだらこうなりました↓
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「か、軽い!」

車庫に準備した時は重かったのに、なんなんだこの軽さは。まさか!と思い、ダッシュで食器棚へ移動しました。

すると・・・・・、あ、ありました!

そうです、わたしがレンタカー屋に行った30分の間に段ボールから食器や容器を、食器棚に戻していたのです・・・・やられました!3か月分の食器のうち、1ヶ月分は戻されました(笑)

認知症の人にとっては、そのゴミも意味はある! それは分かってます。片づけながらいろんな思い出が蘇る・・・それも分かります。でも、日々の生活をするうえで、不必要な容器だらけの冷蔵庫の奥に残りものがあって、それを食べてお腹を壊す方が大変です。あれ?あの食器がない! と言って、毎日食器を探し回るのも、母にとってはストレスです。

食器棚だって新しく買ったはいいけど、目を離すとなんでも詰め込もうとして、どこに何があるか分からない状態になってしまいます。2014年2月から親家片やってますから、すでに4か月が経過。少しずつ母に気づかれないように食器を移動してきたのに、最後の最後でやられました!

フジテレビ・とくダネ!の 「親家片」 特集

わたしも電話取材を受けてボツになった、とくダネ!の「親家片」 の特集。見ていて思ったのは、「捨てられる親側が元気かどうか」 が重要ということです。元気であれば、片づける片づけないで言い争いが起きますよね?事実、テレビでは言い争いをしてました。

一方我が家の場合は、母は認知症。少し時間をおけば、食器のことなど忘れてしまいます。ここをうまく利用して、本人がストレスにならないように親家片ができるのは、実はラッキーなんじゃないかと。

認知症とはいえ、”一緒に” 片づけをしたら、とくダネ!の親子のように争いになります。事実、言い争いになりましたし・・・。でも、認知症の特性をうまく利用すれば、実は片づけはうまくいくんだ! これがコツだ!という事を番組を見て、気づかされました。

ストレスと考えず、逆に認知症を利用する と、親家片(おやかた)はうまく行きますよ!!


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか