尿便失禁の改善に期待した手術のその後

2024年3月に、尿便失禁改善のためのHIFU(ハイフ)の手術の話を書きました。そこから約2か月ほど経っての感想です。HIFUは美容でリフトアップなどに使われますが、その技術を応用して肛門や膣に行う手術です。

母は自分の状態がわかっていない

母が重度の認知症でなければ、違いを自分で説明できたはずですが、手術前の状態を理解していないし、手術自体も、術後の変化も残念ながら理解できていません。

介護者目線で2か月間見た限りでは、あまり変化はないように思います。何で変化を判断したかというと、失禁の処理回数です。手術前と後で、わたしの処理回数は変わっていません。

ただ数値的には、明らかな変化がありました。以前は肛門に力を入れたときと抜いた時の力の差がなかったのですが、今はしっかりあります。でも以前として肛門括約筋は平均値以下なので、漏れるときは漏れてしまいます。これは3回のお産が原因と言われました。

元々は昨年末に血便が出て、いくつかの病院や検査を経て肛門科にたどり着き、直腸が肛門から飛び出す直腸脱と判明しました。出血自体は止まったので、今は一安心しているところです。あとは便の硬さをお薬でコントロールしていて、前に比べて軟便の回数は減っています。

ひょっとしたら劇的な改善が期待できるかも? くらいに思っていたので、やむを得ないかなと思っています。手術自体の効果はよく分からないのですが、今後ある期待はしています。

今後期待していること

失禁の回数は減らなかったとしても、冬によく起こる迷走神経反射がなくなれば、手術をやってよかったと判断できます。軟便が一気に出て、血圧が急低下してフラフラに何度かなり、さらに血便が出て焦ったのが昨年末の話です。

また便がなかなか出なくて、トイレに長時間こもって、それでフラフラになることもあります。実家のトイレは寒いので、長居してほしくないのです。その時間が短くなれば、手術をしてよかったとなります。

今日もしれっと、しれっと。


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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか