離れて暮らす親の介護が始まったら民生委員を頼る

遠距離介護を始めてから頼れる人はほとんど頼ってきたわけですが、ひとりだけ頼っていなかった人がいます。それが民生委員です。以前、遠距離介護の集まりでパオッコさんのサロンに参加した時に頂いたアドバイスで、『民生委員の人を頼るといいよ』と。

最初に民生委員の事を聞いた時は、『ミンセイイイン?』ぐらい意味も言葉も役割も分からなかったんですが、民生委員とはこんな役割です。

民生委員とは?

以下は厚生労働省のHPからです。

社会福祉の増進のために、地域住民の立場から生活や福祉全般に関する相談・援助活動を行っており、創設90年以上の歴史を持つ制度です。また、全ての民生委員は児童福祉法によって「児童委員」も兼ねており、妊娠中の心配ごとや子育ての不安に関する様々な相談に応じたり、支援をしています。

引用元:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201305/1.html

核家族化が進み、地域社会のつながりが薄くなっている今日、子育てや介護の悩みを抱える人や、障害のある方・高齢者などが孤立し、必要な支援を受けられないケースがあります。そこで、民生委員・児童委員が地域住民の身近な相談相手となり、支援を必要とする住民と行政や専門機関をつなぐパイプ役を務めます。

引用元:https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201305/1.html

卒寿のお祝いで民生委員と接点ができた

祖母が卒寿(90歳)で、市町村の記念撮影があるのでというので、偶然民生委員の方が我が家に来てくれました。民生委員の方がおいていった書類を見ると、どこかで見たような名前。あっ、中学校の時同級生だったAさんのお母さんか!

いまから約30年も前のことですし、その頃に見かけた事はあっても特に話した記憶もなく・・・ 実は民生委員の探し方が分からず、でも見つけたら話しておこうと思っていたところでした。というのも、

1.認知症の母がわたしがいない時に、ご近所に何か迷惑をかけているような気がする
2.ご近所も私が上京する前と今とでは、メンバーが変わっていて誰かわからない
3.地区の行事を認知症のため、よくすっぽかす

介護保険で適用できる部分はきっちりやったんですが、ご近所のところがどうしても進んでいなかったので、民生委員さんとなんとか会いたいなぁと思っていたところで、偶然見つけました。

民生委員にお願いしたこと

民生委員さんにお願いしたことは、ただ一つです。『母の話し相手になってほしい』 ただこれだけお願いしました。

民生委員さんもひとり暮らしということは、把握していたようです。ただ、母の認知症はまるで分らなかったようで、諸事情を話すと、

『わたしで力になれる事があったら、言ってください』と。

大変ありがたいです。民生委員ってボランティアみたいなものなので、ケアプランを作ってきっちりお願いする感じではなく、ゆる~くお願いをすることにしました。住んでいる地区の事を把握しているという点で、大変心強い味方を見つけました。

認知症は進行していきますから、初期段階であらゆるサポート体制を万全にしておくというのはとても重要で、民生委員さんもそのひとつです。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

「頼ってみるのは、なし」かと思って最後まで読んだら「頼ってみるの話(はなし)」だったのですね

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか