【子宮頸がん】緩和ケア病棟と麻薬(モルヒネ)の衝撃

私の祖母(89歳)は子宮頸がんで入院、高齢のため抗がん剤も外科手術もできない祖母は、放射線治療のみ実施しました。急性期病院を退院し、療養型病院へ転院したあとのはなしです。

すごくきれいな療養型病院

最初にこの療養型病院を、急性期病院から紹介された時の基準は、”緩和ケア” が病棟にあるかどうかです。祖母の子宮頸がんはステージⅢaで、もしがんが進行した場合は、生かす治療というよりかは緩和ケアといって、がんの痛みを和らげることを主体にしていたためです。

転院が決まった時、わたしはてっきりこの緩和ケア病棟に入院するものとばかり思っていました。でも、祖母は特に痛みを感じておらず、いわゆる一般病棟に入院することになるのでした。病院はとてもきれいで、いいところへ転院できたな!そんな思いだけでした。

先生から説明を受ける前に看護師さんといろいろと話したのですが、明らかに急性期病院の看護師さんとは違う・・・病院はきれいだけど、この看護師さんにお願いしちゃっていいの?そんな第一印象でした。

緩和ケアの先生の話は、がん告知以来の衝撃

この緩和ケアというのは、いわゆる麻薬(医療用モルヒネ)を使って、がんの痛みを和らげるというもの。素人がいきなり” 麻薬” と聞くと、なに?って思っちゃいますよね。

麻薬を使う事の副作用として、『眠気』 『吐き気』 など、不快感を伴うものです。痛みはとってあげられるけど、延命治療というわけではないという説明、そしてこの麻薬の副作用のはなし、延命治療ではない という先生からの説明でした。

がんの告知の時も衝撃でしたが、この緩和ケアというステージに進んだら酷な日々が始まる・・・そう覚悟した瞬間であり、衝撃でした。ホスピスという言葉もでてきますし、緩和ケア・・・イマイチ違いが不明なところですが、どちらも延命治療を行わず、死に対する身体面や精神面の負担を軽減することには変わりありません。

緩和ケアがスタートするものとばかり思ってましたが、どうやらわたしが勘違いしていたようで・・・会社には緩和ケア病棟に入院する と伝えてました。これ自体は間違えてないのですが・・・・

緩和ケア病棟がある療養病床

祖母の体調はというと、絶好調! 足腰も元気なため、認知症の祖母はとにかく病院内をウロウロします。どの病院へ行ってもそうなのですが、最終的にはナースステーションの前の部屋に移動させられ、ベットの足元にはマットが。このマットを踏むと、ナースコール的なものがなって、どこかへ行っちゃうな そんな措置がとられます。そして身体拘束の許可に署名を求められる有り様です。

こんな状況ですので、療養型病院へいる必要もないと判断され、在宅介護に切り替えるか、どこかほかの施設を医療相談室の方と決めるというステージへと進むのでした。在宅介護は実質、認知症の娘が介護できないので、他の施設を探すまでの入院ということになるのでした。

このころは遠距離介護なうえに、仕事も忙しく、正直疲れてました・・・、それで緩和ケアという精神的ショック。未だに緩和ケアにはお世話になってませんが、このステージが来たら覚悟を決めないと・・・緩和ケアという言葉が、いろんな事を教えてくれました。

このあと何ごともなく、平和に過ごしているのでした・・・・って終わりたいんですが、こちらの病院で事件が・・・このはなしを次回!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか