デンマーク「介護士は人がする必要のある仕事だけをし、それ以外は機械を使う」

日経デジタルヘルスの記事「デンマークの介護事情、人と機械の役割を明確に分担」が、興味深い内容だったのでご紹介します。

MTヘルスケアデザイン研究所所長の阿久津靖子氏が、デンマークにおける認知症施設の現場を紹介しています。記事を引用すると、

特徴は、介護される側だけでなく、介護する側も守るという制度だ。介護士は人がする必要のある仕事だけをし、それ以外は機械を使うという考え方が基幹にある。例えば、床掃除はロボットの仕事だ。
引用元:http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327442/081800078/?ST=health

すごくいいコトバだなって、思いました。わたしも「介護者も守ろう!」とよく書くので、介護士の方も守らないと、介護”職”離職は減りません。さらに、こんなことも書いてありました。

たとえ介護する相手が床に倒れていても、介護士は自分で抱えて起こしてはいけないという。介護を通して介護士が体を痛めてしまうのを防ぐためだ。代わりに、介助のための機械が施設内の至るところに設置されている。ベッドから起こして車いすに乗せるのにも備え付けのリフトを使う。
引用元:http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327442/081800078/?ST=health

日本の介護士さんは、移乗技術をお持ちなので、ひょっとしたら機械使うよりも自分でやったほうが早いと思われるかもしれません。また決められた時間内でケアをする必要があるとしたら、機械なんて使ってられないというかもしれません。しかし、デンマークでは、機械と人間を徹底して分けているんですね。そして、

日本よりも個人を大切にするという傾向もあるという。日本の介護施設では、機能訓練などをみんなでまとまってやる、というケースが多い。しかしこちらの施設では入居者を1対1でサポートをするのが基本だ。介護士は大学を出てから専門の知識、技術を学び、仕事に就く。その分収入も平均的な職業よりも高いという。
引用元:http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327442/081800078/?ST=health

利用者と職員のバランスがどうなっているのか、具体的なところはよく分かりません。ただ、最後にある収入が平均的な職業よりも高いという話が面白いです。

わたしは、ロボットを使うことに抵抗はありません。ひょっとしたら母は戸惑うのかもしれませんが、在宅介護においてロボットが利用できるなら、積極的に使いたいと思っています。介護施設の場合、利用者家族のなかには「ロボットなんて!」という人もいるのかもしれません。

また、デンマークの介護士が個々で何ができるのか知りませんが、わたしは1人の人に集約できるのなら、とことん集約して欲しいと思ってます。というのも、うちの母はかなり混乱しているからです。

看護師さんにヘルパーさん、誰が誰だかさっぱり分からない

うちの母の口癖がこれです。看護師さん、ヘルパーさん、理学療法士さん、デイサービス、いろんな方がいらっしゃいます。しかも、メンバーが以前はコロコロ変わってしまって、かなり混乱していました。介護保険の中で、しかも分業になっているのでやむを得ないのですが、本当は少人数に集約できれば理想です。

お薬の飲み忘れも、ヘルパーさんは見つけることはできても、飲ませることはできませんし、いろいろと不便です。間違って飲ませたら大変ということなのは理解できますが、それでも不便だなぁと思います。

こちらの記事、一度読んでみてください!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか