2018年になって経団連が「介護離職予防の取組みに関するアンケート調査結果」を発表しました。
経団連に加盟する企業といえば、日本を代表する大企業ばかり。そういった企業の介護離職に対する取組みは、いずれ中小企業にも波及するものと思われます。アンケートでいくつか気になる項目をピックアップして、ご紹介します。
介護に直面している社員数の状況、ニーズの把握の方法
アンケートによると、介護に直面している社員から上司や人事への報告で介護の実態を把握している企業が多いものの、実際はアンケートによる把握のほうが効果的という結果がありました。
介護している社員が上司や人事には話しにくい、でもアンケートであれば回答するということは、「介護について話したくない心理」というのが働いているのだと思います。
介護によって今の仕事のポジションや役割を失いたくない、同時に給料が減ると困る、だから介護していることは隠しておきたいという思いであったり、単純に上司や人事を信頼していない、相談したところで何になるという思いもあると推測します。
7割の会社が、介護が始まったら早期に会社に申し出るように人事から働きかけているというアンケート結果もありました。おそらくメールやイントラネットでの連絡だと思うのですが、介護者の話したくない心理を理解しておかないと早期に申し出るように働きかけたところで空振りに終わるはずです。
わたしの場合、上司や人事に相談しようという気にはなりませんでした。こっそり社内のイントラネットで介護休業制度について調べて、わたしが該当しないことが分かった瞬間に、辞表の準備を始めました。
介護経験者の社員の事例活用が少ない
もうひとつ気になったのが、社員の介護事例を活用している企業が2割と少ないことです。この後の結論にもつながるのですが、もし上司が人事が介護経験者だったら、わたしも介護離職の相談をしたかもしれません。
どこか遠い介護者の実例よりも、実際に同じ会社で働いている社員がどうやって介護と仕事の両立をさせているのか、絶対に知りたい情報です。この割合を増やすことと制度を充実させることを同時にやることがとても大切だと思います。
わたしが介護離職で大切だと思うこと
介護休業制度を使っても、仕事の役割やポジション、両立がきちんとできている「実例」を増やすことが先決だと考えます。産休がいい例ですが、周りに産休で1年間休んで復職している社員が大勢いるような会社であれば、安心して子どもを産んで仕事を続けようと考えます。産休明けの人が冷遇されているような会社なら、あとは続かないはずです。
介護している人が社内制度をきちんと活用できる風土づくり、その実例を身をもって同僚などに見せてあげることが一番効果があると思います。どんなに制度を充実させて告知しても、それを使う人がほとんどいないと何の意味もありません。
わたしは介護離職してよかったという稀有な例ですが、仕事が楽しくないのに介護との両立を目指そうとしている人は、ぜひセカンドキャリアを考えることをオススメします。
40代、50代、60代とやりたいことはあっても、体がどんどんついていかなくなります。あんなことやこんなことをやってみたい!そう思う気持ちは学校の校庭ぐらいあっても、いざ一歩踏み出してみると砂場ぐらいの狭い範囲でしか体が動かないかもしれません。
わたし自身そう思っているので、最近は「本が欲しい!」と思ったらすぐ買うようにしています。やりたいと思ったことを、できるだけ先延ばししないようにしています。40代で亡くなった方のニュースを見るたびに、思っている以上に自分には時間は残ってないかも、だから悔いなく生きようという思いが湧いてきて、即実行するようになっています。
ちなみに検索エンジンの結果表示のロジックが変わってしまったので、わたしがいくら介護離職のことを書いたところで検索結果に表示されないという悲しいことが起こっております。それでもこのブログで1番読まれているのが、以前書いたわたしの介護離職の話なので、淡々とブログには書いていこうと思っています。
今日もしれっと、しれっと。
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