介護される側の言動次第で、介護者の大変さやストレスが決まるというお話が多いのですが、実は「介護者自身がどれだけストレスに耐えられるのか?」という視点も大切です。例えば認知症の人を介護する方が、
これを我慢できない、手を出してしまうくらいの大きなストレスと感じるのか、些細なことと感じるのかで、介護ストレスは大きく変わります。認知症カフェなど介護者のつどいにおいても、周りから見れば些細なことでも、その人にとってはものすごく大きなストレスになっているということはよくあります。
これは介護者自身がどれだけストレスに耐えられるのかという、ストレス耐性の差です。
介護者が今までどれだけの強いストレスを受けてきたか?
認知症の人の「人生歴」を聞くことが大切という話を、ブログや本で書いてきました。同じように介護者自身がどんな人生を送ってきたのか、どれだけのストレスにさらされてきたのか、どんなプレッシャーの中で生きてきたのか、ご自身で振り返ってみてください。
例えば1億円の借金を背負い、借金をゼロにするまでの苦労に比べれば、認知症介護なんてどうってことないと感じるでしょう。両親、義理の両親、祖父母、親族などたくさんの介護を経験したから、ちょっとした介護の苦労はなんとも思わないという人もいるでしょう。
わたしの場合は、会社員時代のストレスが今になって役立っています。たぶんわたしは、サラリーマンという働き方が合わなかったので、必要以上にストレスを感じやすい体質だったのだと思います。日曜日の夜は憂鬱になるし、多過ぎる会議に頭を抱え、上層部とチームメンバーとの板挟みに苦悩する・・・常に悩みながら仕事していたので、あの時のつらさと比べれば、遠距離介護をしていたとしても幸せだと思えることがよくあります。
また、祖母と父をここ5年で続けて看取ったことで、死ぬ間際の介護というものを体感したこともストレスに強くなった要因です。死の直前に比べれば、すべては小さなこと!なんて思うこともあります。皆さまはどんなストレスに打ち勝ってきたでしょうか?
そんな自分のストレスを、テストで客観的にみることができます。
ご自身でもチェック!NHKのキラーストレスチェック
少し前ですが、NHKの番組で「キラーストレスチェック」が特集されました。キラーストレスというくらいですから、このストレスが命の危険を及ぼすというくらいのお話です。このストレスチェック項目を冷静に見ると、仕事関連の項目が30個近くあります。いかに仕事が自分にストレスを与えているのかということが、よく分かります。
下記リンクからNHKの公式サイトをたどって、自己採点してみてください。300点を超えると病気を引き起こすほどストレスがたまっている状態になります。会社員時代を想定してテストをすると軽く300点を超えるのですが、今は300点を超えません。
ストレスに強いと思っていたら、身体を壊していたなんてこともあります。ご自身がストレスに弱いタイプだったら、そのストレスの元は何なのか?探ってみてください。最新作「がんばりすぎずにしれっと認知症介護」の中に、反響の大きい「悩みのビスケット」のお話があります。ご興味がある方は、この記事と照らし合わせて読んでみてください。
今日もしれっと、しれっと。