介護は「ここに存在しているだけで価値がある」と思えるか?

「嫌われる勇気」という本はご存知でしょうか?

Amazon 2014年上半期ランキング1位なので、すでに読んだ方も多いかと思います。ジャンルでいえば、自己啓発。介護とは無関係?と思いきや、ある章の内容にハッとさせられました。今日はこちらをご紹介します!

「ここに存在しているだけで、価値がある」の章

誰かの役に立ててこそ、自らの価値を実感できるという議論の中で、下記文章が出てきます。

祖父は現在、施設に入って寝たきりの生活を送っています。認知症のおかげで子や孫の顔もわからないし、とても介護なしでは生きていけない状態です。どう考えたところで、誰かの役に立っているとは思えません。

という投げかけに対して、

たしかにその観点から考えると、寝たきりのご老人は周囲に世話をかけるだけで、なんの役にも立っていないように映るかもしれません。そこで他者のことを「行為」のレベルではなく、「存在」のレベルで見ていきましょう。他者が「なにをしたか」で判断せず、そこに存在していること、それ自体を喜び、感謝の言葉をかけていくのです。

この言葉、深くないですか??

「行為」ではなく、「ここに存在している」 ただそれだけで他者の役に立っているし、価値があるということです。介護ストレス というのは、誰でもあると思います。そんな時、この本のこの言葉を思い出す事で、いろんなものが吹き飛ぶのではないでしょうか?

「存在」 だけで価値がある 

「嫌われる勇気」 という本から、介護の本質を知らされるなんて、思いもしなかったなぁ~

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

岸見 一郎, 古賀 史健
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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか