こちらは今年最後の遠距離介護が終わって、東北新幹線に乗った直後のツイート。
わたしはこのときある重大なミスを犯していて、10日以上も経ったあとで気づいた。
盛岡のさわや書店さんで買うべき本を、すっかり忘れていたのだ。その本とは、あまのさくやさんの最新刊『32歳。いきなり介護がやってきた。』(佼成出版社)
あまのさんはネットで見かけたことがあったのだが、購入の直接のきっかけは岩手日報の大きな記事。いろいろと興味深い介護者がいる!と思っていたのに、他の本を買う痛恨のミス。
たまたま、あまのさんがわたしのtwitterをフォローしてくださったので、「あ゛」ってなったのだが、最終的にはこの凡ミスがいい結果につながった。
あまのさんは、絵はんこ作家でエッセイスト。認知症のお父さまと末期がんのお母さまとの介護の日常を綴ったブログ『時をかける父と、母と』が、幻冬舎×テレビ東京×noteコミックエッセイ大賞で、準グランプリを受賞。書きおろしのイラストを加えて、この本が書籍化された。
これだけでも気になったのだが、「地域おこし協力隊」として今年から岩手で活動されている。絵はんこ、岩手、認知症介護、あまりに気になるポイントが多かったので、ある行動に移した。
わたしの介護とすべて逆!
まずプロフィールを見て、わたしの介護の逆をいっている人がいる!と思った。
東京から岩手に移住し、今も東京の有料老人ホームにいるお父さんを介護されている。そしてがんでお母さんを亡くされた。わたしは東京から岩手に通い、父を悪性リンパ腫(血液のがん)で亡くしている。移動方向が逆、がんで亡くした父と母がてれこ、今介護しているのも父と母で逆。
twitterを拝見したところ、なんと東京・恵比寿で個展を開催されるとのこと。だったら、直接行って本を買っちゃおう!ということで、岩手からいらした東京育ちのあまのさんに、岩手出身で東京在住のわたしが会いに行った。
前情報を入れないほうが本を面白く拝読できると思ったので、いきなり読み始めたのだが、逆の介護をしているはずなのに、介護の内容は全然逆じゃない。むしろ、同じ。認知症介護に対する思いや葛藤、看取り時に感じることなど、すべてが共通している。
若年性認知症の話は、当事者目線の本が多い。だからバリキャリだけどお茶目なお父さんが、次々と転職先を決めながらも、認知症が進行し、すぐ会社を辞めざるを得なくなるエピソードや、それを家族も分かっているけど、どうにもできず苦悩する話は、初めての視点で新鮮だった。
若年性認知症の場合、介護する側の年齢も若い。それゆえ、同世代の友人、知人に相談できない悩みがある。40歳の自分でも周りで介護している人がいないと感じたから、それより若いともっと相談できないはず。介護の話なんて、友人も聴きたくないだろうと思ってしまうし。
そんな相談相手がいない介護者が取る行動のひとつが、書くこと。わたしも全く同じプロセスを踏んで、今がある。書いて自分自身を俯瞰で見ることで、救われるのだ。
本を読み進めると、いい感じのところに、絵はんこのイラストがある。ほっこりタッチが、介護の情景を頭に浮かばせてくれるし、お父さんがチャーミングな方なので笑える。その言動、うちの認知症の母も同じと思うところが、たくさんあった。
ブログ読者の皆さんもきっと、この本から学べること、共感できることは、めちゃくちゃたくさんあると思う。絵はんこの世界を堪能しつつ、時に笑い、涙しながら、本を読み進めてみてください!オススメです!
音声配信voicyの最新回は、今年を漢字一文字で表したらのお話です↓
今日もしれっと、しれっと。
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