認知症の母の化粧、ちょっとそこは違うんじゃない?

認知症が重度まで進行しても、わたしが帰省した日は母に化粧をしてもらっています。

母は1日に何度も鏡を見る人で、自分の顔がかなり気になるようです。それなら自分がいるときぐらいは化粧をしてもらおうということで、2012年に介護が始まってから今までずっと続けています。しかしそこは重度の認知症、ちょっとおかしなことになってしまいます。

認知症で化粧も危うくなってきましたが笑うだけです

認知症がまだ軽度の頃は、化粧バッグを母に渡しさえすれば自分で化粧できました。しかしファンデーションを塗るスポンジがすぐなくなるので、100均で買った大量のスポンジを化粧バックに入れて、どれかを使ってもらえばいいようにしました。

あとファンデーションがなぜか赤くなっていて、これは何だろうと思ったら母が口紅を自分の唇でなく、なぜかファンデーションに塗っていたこともありました。

だんだん化粧も危うくなってきて、口紅を異食する可能性もゼロではなくなってきたので、今はわたしの立ち合いの元、化粧をするようになったのです。

先日、母の目の前にファンデーション、ヘアブラシ、口紅を置いて、その隙に母の寝室の布団を押し入れに片づけているときでした。台所に戻ったら、母が口紅を眉毛に塗っていました。その時の写真がこちら。もっと眉毛が赤くなるのかと思いきや、そうでもなかったです。

分かりづらいけど赤くなってます

異食でもないし、拭けば取れる話なので大笑い。これまでも何度か眉毛に塗る気配はあったのですが、とうとうやってしまったか!という感じです。認知症介護歴が浅い状態で、眉毛の口紅を見たらショックだったり、驚いたりするかもしれませんが、13年も経つともう笑うだけです。

メイク落としシートを使ってわたしが拭きとって、ファンデーションを塗り直してデイサービスへ行ってもらいました。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(82歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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