46歳男子、認知症の母のためにカレーを作る7つの理由

わたくし、料理が得意ではありません。

亡くなった父は若い頃、学校給食の仕事をしていましたし、認知症の母も社員寮の寮母として、たくさんの料理を提供してきました。

いわば料理上手なDNAをわたしは持っているはずと、奥さんに言われることもあるのですが、とにかくできません。しかし、今の時代、クックパッド先生がわたしにとっての平野レミさんみたいなもので、その通りに作れば一応、カタチにはなります。

そんな46歳のわたしが最近、実家で母のためにせっせかカレーを作ることが多くなったのですが、その理由が7つもあります。

冷蔵庫の賞味期限切れの野菜を処分

実家の冷蔵庫には、ギリギリ食べられるタマネギ、じゃがいも、ニンジンが入ってます。捨てることもあるのですが、カレーで煮込めばなんとかなるという安易な発想から、カレーを作るようにしています。

米を3合炊く

母が米を炊くと、必ず3合炊きます。1人暮らしで3合、息子と2人でも3合・・・1合ずつ炊けばいいのに、それだとおいしくないと。3合炊いて、翌日にカピカピご飯を食べるほうがまずいに決まっているのですが、認知症の母の行動は変えられません。

ではどうするか・・・カレーをかけちゃえば、カピカピご飯もなんとか食えちゃう。だから、カレーを作ります。

カレールーを1箱全部入れちゃう

久しぶりに母にカレーを作ってもらったら、カレールー1箱を鍋に投入しました。1箱って10人分なのですが、野菜や水は4人分・・・ドロッドロのカレーができあがり、それからというもの母にカレーを作らせるときは、ルーのコントロールをわたしがしてます。

そのコントロールも面倒になったので、自分でカレーを作るようになりました。

必ず「あら、久しぶり」と言ってくれる

ここまで挙げた理由でカレーを食べる回数が増えているのですが、もし認知症じゃなかったら「またカレーなの?」と言うはずです。でも母は忘れるので、毎回「カレーなんて、久しぶりじゃない」と言います。

母は忘れている、冷蔵庫事情もある、じゃあカレーを作ろう!となります。

必ず「おいしい」と言ってくれる

母は毎回「あら、おいしい。たまに食べるカレー、人に作ってもらうカレーはいいわね。」と、わたしのカレーを絶賛します。

自分の感想は、さほどおいしくありません。だって、ルーの箱に書いてある材料以上のことはほとんどしないからです。やっても牛乳いれるくらいです。

それでも「おいしい」と言ってもらえれば、多少のモチベーションに・・・だから、カレーを作ります。

デイサービス帰りで疲れている

いろいろ書いてきましたが、デイサービスで母が疲れて帰ってくるから、わたしが料理をします。

「わたしはね、昼寝ができない人なの」と母は信じているのですが、普段は昼寝をしてます。だけどデイに行くと、人と話して昼寝をしないので、週2日は疲れるのです。

疲れている日に料理をさせるのもなぁ・・・そうだカレーでも。ということで、カレーを作ります。

母が料理ができなくなる前に少しでも料理を覚えておく

正直、母の料理のレパートリーは全盛期から見れば9割減です。残り1割もいつまで継続できるか分からない感じです。そうなると、ヘルパーさんに料理を作ってもらうことやお弁当なども考えてますが、たまにはわたしが作ろうじゃないかと思ってます。

で、何の料理ができるのか・・・カレーです。記事タイトル下の写真が、実際に作ったものですが、今回は豚肉が冷蔵庫に大量に余っていたので、全部投入したら、トロミに欠けるカレーになりました・・・失敗作。

それでも母は「あらおいしい、久しぶりに食べた」と言ってくれます、ありがたいですよね~

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか