【遠距離介護】パオッコ太田さん「対話があってこそ」の意味とは?

「普段の対話があってこそ」

9月6日(土)東京・有楽町のオヤノコトステーションで、NPO法人パオッコ理事長の太田差惠子さんによる

「離れて暮らす親のためにできること、考えること」

セミナーがありました。そこでの一言です。

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介護のお金のはなし

「介護資金は親のお金で!」

これは本当にそうで、意外と自分で負担したがる人います。わたしも自己負担はゼロ、すべて親のお金で介護しています。新幹線代も親のお金です。親も大切ですが、自分の家庭が第一です。自分の家庭を犠牲にする事は、親も望んでないでしょう。

親にお金がなければ自己負担もやむを得ませんが、国民年金や厚生年金をもらっていますし、貯金を持っている親が圧倒的です。ただ、親の資産を確認する作業って、難しいですよね?そこで、

「普段の対話があってこそ」

だと、太田さんは言います。普段の対話がなければ、

「この子、わたしの財産狙っている!」

ということになります。いきなり財産の事を聞かれたら、親だってそりゃそう思います。

わたしなんて認知症の母に通帳捨てられて、祖母の成年後見人になって銀行口座を探偵のごとく探しまくるという目にあいました。元気な時に対話しておかないと、いざ資金を使おうにも使えません。

これはセミナーにはありませんでしたが、エンディングノートを元気なうちに親と一緒に作ることをお薦めします。エンディングノートには資産状況を書くところがあるし、介護の方針について書くところもあります。

対話が普段ない人も、エンディングノートを作ることで対話になるはずです。「普段の対話があってこそ」 これは財産に限ったことではありません。

病院拒否、介護保険制度拒否、ヘルパー拒否

遠距離介護をする前は、年に1、2回程度の帰省でした。母とは言うほど対話があったわけではないのですが、不思議と信頼されてました。悪い子ではなかったし、ある程度は親の期待にも応えた部分もあったから?かもしれません。


初めて認知症の病院に連れて行ったとき、「健康診断に連れて行く」 とウソをついて連れて行きました。これも信頼されていなかったり、対話がなければ、「病院なんていかない!」 と駄々をこねたことでしょう。

セミナーでは、介護保険制度の利用をいやがるケース、認知症の夫を介護する母がヘルパー利用を断固拒否する例が紹介されました。どちらもよく耳にするケースです。

「お風呂のイス、不安定だね。介護保険制度を利用すると、たった1割負担で安定したイスが買えるんだよ」
お父さんのために、減塩食の調理法を教えてくれる先生に来てもらおう」

介護保険をお得感をあおって納得させる手法、ヘルパーさんを減塩食の先生と名乗らせて利用する ウソも方便ですよね。だますのも 「対話があってこそ」 です。対話がなければ 「そんなの知らん!」って言われちゃいます。

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遠距離介護セミナーのお知らせ

2014年10月26日(日) 東京・品川でNPO法人パオッコさん主催の遠距離介護セミナーが開催されます。今回のテーマは 「遠距離介護にまつわる法的トラブルの対応と心得」 。認知症のイベントは多いのですが、遠距離介護を扱ったイベントはほとんどありません。


昨年参加した時に特に面白かったのが、遠距離介護を実際に経験している方の体験談です。決められた時間、決められたテーマでコンパクトに体験談が聞けるのがいいんですよね。

参加者同士の座談会だと、暴走する方よくいるんです。分かるんです、誰かに自分の介護を分かってもらいたい!という気持ち。でもひとり長時間話されると、わたしはダメです。参加している方、平等にお話を聞きたいっていつも思います。

パオッコパオッコ


  NPO法人パオッコ・「遠距離介護セミナー」 に行ってきました! NPO法人パオッコ・「遠距離介護セミナー」 に行ってきました!



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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか