遠距離介護という言葉から「距離」に注目しがちですが、実はそこではないという話

遠距離介護 交通費 距離 地図

「遠距離介護」というお題で、講演会の依頼を頂いたことがあります。しかし、東京・大阪など大都市圏のニーズは少ないようで、あっさり「認知症介護」にお題が変更されました。その際にプレゼン資料を途中まで作ったのですが、発表する場がないのでブログで公開します。

「交通費変形地図」知ってますか?

「交通費変形地図」とは、東京・新宿を起点にして各都道府県の最も乗降客の多い駅までの交通費を算出。その「金額的な距離」で、日本地図を作成し直したものです。

例えば東京を起点にすると、沖縄や北海道が「単純な」距離では離れたところにあります。しかし、観光客も多い地域なので、交通手段や便数もたくさんあって、交通費は意外と安かったりします。この地図は金額が距離になっているので、交通費がかかるところほど東京から離れた位置にある地図になっています。

ちなみに交通費が一番かかる都道府県は、長崎県だそうです。(2016年10月現在)次が秋田県で、詳しくは下記リンクから地図をご覧ください。面白い日本地図になっていますよ。わたしの遠距離介護先である岩手県は、交通費的には安い方です。

遠距離介護で見るべきは「距離」ではなく「移動時間」ですよね?

遠距離介護という言葉から、「距離」ばかりが注目されてしまいます。例えばわたしの場合は、東京と盛岡で約500kmあります。その距離から考えて、移動時間もかかるから大変だよね・・・多くの人はそう考えます。もうひとつ「心理的な距離」というのもあって、わたしが都内で盛岡に帰省すると言うと、とてつもなく田舎に帰るイメージをもつ方が多いです。

くどひろ
盛岡は大阪とそんなに変わらないし、新幹線で最速だと2時間15分くらいですよ

大阪ほど人の往来もなく、そもそも行ったことがない人が多いので、心理的に遥か遠くにあるように感じてしまうようです。

遠距離介護において大切なのは、実は「距離」ではなく「移動時間」に注目すべきだと思います。東京と名古屋は360kmの距離がありますが、新幹線「のぞみ」なら90分で着きます。例えば車でしかアクセスできない関東の奥の地域なら、移動に2、3時間かかるところもあるのではないでしょうか?どちらが大変かといえば、車で移動する介護者のほうだと思います。

また移動手段によっても、介護者の大変さは変わってきます。わたしが一番楽なのは東北新幹線「はやぶさ」の利用ですが、ネット割引率が低いです。だから各駅新幹線の「やまびこ」を使って、はやぶさよりも1時間多くかけて盛岡へ帰ります。高速バスの場合、交通費はもっと節約できますが、7時間かかるし寝れないしで介護者としての負担は増えます。なので、一番コスパのいい各駅新幹線を使っています。

新幹線が使えるだけありがたくて、車でしか移動できないとか、飛行機・船で帰省する介護者もたくさんいます。海外からわたしのブログを見ている方もいますし、アメリカ日本の遠距離介護の話を聞いたこともあります。わたしの移動なんてのは、たいした大変でもないのです。

また「短距離」介護の方でも車で3時間かかるような介護者は、やっぱり大変です。距離が近いから、何度も顔を見にいけるような感覚になりますが、毎回車の運転をするのは大変ですよね。わたしなんて新幹線に乗ってさえいれば、盛岡まで運んでくれるわけですから。

あまりないとは思いますが、遠距離介護しているもの同士で「距離自慢大会」が始まってしまったら、こう聞くといいでしょう。

くどひろ
移動にどれくらいの時間が、かかるんですか?

こう質問すると、距離という概念はリセットされて、移動時間だけで介護者同士ねぎらうことができるようになると思います。距離だけに注目するのではなく、移動時間、帰省頻度、交通手段も含めて介護者同士で話すと、その人の遠距離介護全体が見えてくるようになると思います。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:がんばりすぎずにしれっと認知症介護 (新日本出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか