認知症治療・コウノメソッド実践医に母を診てもらいました(3回目)

抗認知症薬

今までのコウノメソッド実践医の受診と内容

第1回目(2013年4月)→ アルツハイマー型認知症と診断。フェルガード100Mのみを飲み始める、訪問看護を取り入れる
第2回目(2013年8月)→ フェルガードに加え、レミニール4㎎×1錠を朝服用 看護師・薬剤師による服薬管理をスタート
第3回目(2013年9月)→ 下記の記事です

(コウノメソッドってなに?という方は、右側下にあるタグ コウノメソッド をクリックすると、今までの記事をすべて見ることができます。)

4月の第1回目の受診から考えると、遠距離介護の体制づくりがきちんとできたなぁ~ そう思います。通っている病院がコウノメソッドを実践しているというのはもちろんのこと、在宅療養支援病院 で、在宅介護でのノウハウがいろいろある病院です。だからコウノメソッドだけでなく、服薬管理の提案や、訪問看護の提案もしてくれて、わたしのような遠距離介護者には大変助かる話ばかりです。

認知症はただ薬やサプリを処方しただけではよくならないので、こういった生活面まで提案してもらえるという診療は、他の神経内科や都道府県の大病院にはなかったことです。

認知症の母(70歳)に対するサポート

月曜日: 薬剤師さん、看護師さんによる訪問看護(薬のセット&血圧などの軽い問診)
火曜日: ヘルパーさんによるゴミ捨て、買い物、薬のチェック
金曜日: ヘルパーさんによる買い物、薬のチェック
不定期: 民生委員さんの訪問

赤字は1回目の受診時に提案されて始めたもので、それ以外は自分で体制づくりをしました。本当はヘルパーさんに薬をセットしてほしいんですが、薬のセットは法律上?制度上?できないんですよね・・・だから訪問看護という形をとっています。で、今回の3回目の受診なんですが、あるものをセットで予約しました。

だまして連れて行った健康診断

実は今回、コウノメソッド実践医の受診と並行して、健康診断に ”だまして” 連れて行きました。 「健康診断」 っていったら、ものすごい拒否反応を示すことは目に見えているからです。 訪問看護にいつも来てくださる看護師さんと画策して、うまいこと健康診断をさせました。何年も健康診断に行ってなかったので、まずは一安心です。

訪問看護で顔見知りの看護師さんということもあって、最後はかなりリラックスした様子でした。でも最初は血圧が180で、めちゃめちゃ緊張していたようで、再度計りなおしたら130まで低下、ホッとしました。本当に病院に行きたくないんですよね・・・うちの母は。

今回の認知症診断

病院がものすごく混んでいたからですかね??診断はものすごくあっさり終わりました。今回は恒例の長谷川式認知症スケールテストもしませんでしたし、時計描画テストもしませんで、問診のみとなりました。(健康診断の問診もしました)

先生:『最近、お変わりないですか?』

母: 『特に変わりないです~』

うちの母は認知症のレベルは軽度で、前回の長谷川式は21点。先生との会話も質疑応答も問題ないです。特に先生の前だと緊張感があってか、いつも以上にしっかりします。同じことは繰り返すんですが、それでもわたしと話している時よりも絶好調です。今回は、最近の変化を私から説明しました。

わたし: 『洗濯物を干すのを、9割の確率で忘れるようになりました。洗いっぱなしです。』

わたし: 『ただ奇跡的なのが、服薬管理を自分でできるようになったことです。以前は全くできませんでした。』

で、今回からレミニール 4mg →  8mg に増やすことに決まりました。その意図を聞くのを忘れたんですが、今まで飲んでいたレミニールの量は一般の人が処方する半分の量だったので、今回は一般並みになります。服薬管理に関しては、訪問看護にきてくださる看護師さんと薬剤師さんのアイディアで、「飲み終わった袋を、お薬カレンダーに戻す」という習慣がつくようになってから、できるようになりました。前は全くだめだったので、すごい改善です。

認知症で病院に行くときの心構えは、ふつうと違う

認知症は完治しないので、普通の病院と感覚が違うのが困ります。普通なら、『病院に行けば、治る!』 っていう頭でいると思うんですが、認知症は治りません。病院に行くのは治すためではなく、”進行を遅らせる” とか、”認知症の症状はあるけど、ひどくなってない” とか、改善を求めずに、”悪くなってない” という心構えが必要です。まだ慣れないんですよね・・・・、受診したら治るかのような感覚に襲われます(笑)

ここ数か月は隔週で帰省できなかったんですが、次の受診までは隔週で帰って変化をチェックします。介護体制、生活習慣、接し方、コウノメソッドの実践などなど、いろんな要素があるんで、どれが効果的で、どれが悪いか分析できてませんが、ここから2か月は平穏な生活を送らせようと思っています。

不安要素は入院している祖母だけですね、こちらも安定した状態を保つことを期待してます。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか