3か月ぶりに認知症の母がコウノメソッド実践医を受診してみると意外な展開に・・・

抗認知症薬

認知症の母(70歳になりました)が、前回コウノメソッド実践医を受診したのが4月。そこからフェルガード100Mのみを3か月飲み続け、訪問看護も取り入れたりして、今回どんな診断になるのか?ドキドキしながら、母を受診させました。

まずはお決まりの認知症テストから

最初に時計描画テストから始めました。

『時計の絵をかいてください』 『大きな円を描いて、その中に文字盤を書いてください』 『10時10分を書いてください』

というやつです。認知症の人ってこれ書けないんですよ、とんでもない時計を描く方が多いんですが、うちの母はというと前回はなんなくクリア。今回はどうかなぁ・・・と思い見ていると、うまく書けているではありませんか! 

次も恒例の長谷川式認知症スケールテストを実施。今日の日付、自分の年齢、今いる場所と立て続けに間違えて、こりゃもうだめだ・・・と思っていると、その後の質問は次々に答えて、結局30点満点の21点でした(前回と変わらずです、20点以下が認知症とされている)ただ先生が、

『前回よりもよくなっているなぁ~、うーん』

というお言葉。たぶん難しかったり重要な質問の回答率が高かったんでしょうね。さらに先生は、

『右手で左肩をさわってみてくれますか』

これもできない認知症の方います(コウノメソッドの診察DVDで見ました)が、母はすんなりこなします。手で影絵のカニっぽい形をまねてみて というテストとか、いくつか手の形をまねるように指示するもなんなくクリア。

スプーン、時計、鉛筆などなどが入っている箱を見せて、すぐ隠す。そして何が入っているかをあてるクイズも、90%クリア。緊張もあったと思うんですが、やはり第三者の前では、うちの母はシャキッとしますね。

先生は前回、アルツハイマー型認知症という診断をしたのですが、

『こういう間違い方をする、アルツハイマーの方は見た事ないんだよなぁ~』

と。先生の想像以上に症状は軽かったようです、フェルガードは一定の効果があるという判断を先生はされていて、今後とも引き続き飲み続けるようにとのお言葉がありました。わたしとしては、薬の処方(アリセプト)を期待して待っていたんですが・・・

薬の処方はやはりします、でも・・・

アルツハイマー型認知症の治療薬・家族は覚えないとだめ! という記事に書いたんですが、前回先生もアリセプトを試すかもと言っていたので、来るぞアリセプト!と待ち構えていたら、先生のチョイスはレミニールの4mgでした。

わたしが勝手にアリセプトで待ち構えていたので、肩透かしをくらってしまいました。レミニールは1日2回の処方が基本なんですが、うちはかなり軽めに1日1回という変則での処方をすることになりました。(こういう事を提案してくれるのが、コウノメソッドのよさです。普通の病院ならこういう変則は絶対に提案しませんし、言われるがまま処方して認知症の周辺症状が悪化したり・・・)

薬剤師さん曰く、最近はアリセプトを使うお医者さんが減ってきていて、代わりに2011年に登場したレミニールを使うお医者さんが増えていると。理由は、アリセプトは攻撃的になる可能性があるからと言ってました。先生もアリセプトはかなりピンポイントに効く感じだし、レミニールの方がマイルドで幅広いと。

なるほど、レミニールはいいとして、問題はどうやって規則正しく飲ませるかなんだけど・・・

フェルガードという米ぬかサプリメントは飲み過ぎてもいいけど・・・

うちはタペストリーでサプリメントを管理しているんですが、1人暮らしの認知症の母は曜日感覚がないので、飲まなかったり逆に飲みすぎたりします。レミニールはお薬で、飲み過ぎはNG。さて困ったぞと悩んでいると・・・

看護師さんの提案で、薬のセットを看護師さんと提携する薬剤師さんが1週間交代で行うという、とても素敵なプランを作ってもらいました。まさかの薬剤師さんの登場で、またまたぶったまげました。大きな医科大学や、えらそうな神経内科の先生にはこんな提案、到底無理です。

買い物やゴミ捨てをしてもらっているヘルパーさんは残念ながら、薬をセットする事ができないんですよね・・・介護じゃなくって、薬は医療の領域だからなんでしょうね。ということで、看護師さんと薬剤師さんの薬セット&ヘルパーさんの薬監視を軸にすることに決めました。

処方箋をもらってその薬局に行くと、お薬を袋に入れて、その袋に処方する日付、朝食後という文字を印字するということまでやってくれました。これって普通なのかもしれないんですが、わたしは初めて見たのでここでもぶったまげて、ひたすら感謝しました。

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いやぁ・・・本当にこの病院の提案はただただ頭が下がります。在宅療養支援病院なので、在宅時の問題点のノウハウがすごくいっぱいあるんですよね。次回の受診は2か月後ですが、レミニールがどんな効果を発揮するか?ココナッツオイルを購入したんだけど、これはもうちょっと後にするかな・・・


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか