介護離職を後悔してない割合はなんと70%

介護離職

わたしは介護離職を2回経験していて、一般的に言われている「介護で仕事は辞めてはならない」を無視しています。介護で疲弊するくらいなら、会社を辞めてもOK!と考えました。

(株)明治安田生活福祉研究所と公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団が調査した「仕事と介護の両立と介護離職」で、特に面白いと思ったところをピックアップします。

介護専念者7割が介護に専念したことを後悔してない

正社員の地位を捨てて介護に専念することは覚悟がいるし、十分に考えて納得するから、会社を辞めて後悔する人が少ないという調査結果です。一方で後悔した人の多くは、介護をきっかけに転職した人です。

この結果、分かる気がします。介護時間を増やすために、残業が少ない・通勤が近い会社へ転職。ところが職場の理解を得られない、人間関係に苦しみ後悔するのです。転職するくらいなら、まずは今の職場で説得すべし!ということでしょう。

ちなみにわたしは正社員の地位を捨てた事を、全く後悔してません!自分は介護専念者なのかと言われると、ちょっと違う気もしますが……。

夫の年収が多く、貯金が多いと介護離職しやすい

夫の年収が多い場合、それを頼りにして妻が代わりに仕事を辞め介護をする、だから夫が介護離職しない調査結果がありました。これで、妻は幸せでしょうか? ちなみに介護離職しないで働き続けている夫の平均年収は700万円、どういった人にアンケートしたのでしょう?

貯金が多いと、当面の生活の目途がつくので介護離職はしやすいですよね。わたしも金額が多いわけではないのですが、1度目の介護離職以降貯めてましたから、介護離職に躊躇はなかったです。

介護離職の最大のきっかけ「自分以外、いない!」

「自分以外に、親を介護する人がいない!」と回答した人は20%で、意外と少ない印象です。「自分が介護をしたい!」と思った女性が、同じく20%いるという結果に驚きです。

介護離職を後悔してない人が多いというデータをご紹介しましたが、ここにつながるんですね。こういった話をとりあげるメディアは少ないですよね、介護離職は社会的損失だ!のほうが圧倒的です。

実は介護開始から1年以内に離職する人が50%以上

介護が始まって2人に1人は、1年かからずに転職や介護離職するんだそうです。わたしもここに属します。

介護離職が社会問題化してますが、確かに労働力を失う事は社会的損失と言えます。一方でこのアンケート結果からは、介護者本人は決意を持って、自らの意思で介護離職しているという結果です。

ってことはですよ、介護離職させない! というところに意識を傾けるのではなく、介護しながらでも働ける環境、働き方の多様化や制度に注目すべきってことになりますよね?

オフィスに居る時間で評価するのではなく、成果物できっちり判断してくれれば、わたしのような介護離職者にもチャンスが生まれるんですけどね・・・まだまだ先だと思うので、フリーランスで頑張ります!

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

7件のコメント

企業は今まで、景気のいい時は募集して人を増やし悪くなるといびっても辞めさせるとかありましたね。今度は介護離職というところに目をつけて人が辞めて人材がいなくなるって言い訳し始めました。それは、人材(労働者)を大事にしなかったからです。それに振り回される国と労働者にはとてもいい迷惑です。ちゃんとしている企業もあるんですが、少ないです。日本は中小企業のほうが技術にしろ労働者にしろ多いんですよ。大企業は何にしてもやりやすいですね。中小企業をいじめれば済みますから。もちょっといろんな意味で社会全体を大事にできるようになればいいのですが。企業にとっては特に大企業になればなるほど儲けも大事ですけど、思いやり精神が昔より無くなっています。私は、介護離職3回経験、父親の自殺よりPTSD発症後、介護生活9年で3人介護で看取りまでしました。いまだうつ病多少引きずり中。再就職はうつ病も引きずってるので準社員のため食べていければいいと考えているが老後どうなることやら?なるようにしかならないか?(笑)

タケさんさま

コメントありがとうございます。

介護離職3回という話を初めて聞きました、わたしの2回でもかなり珍しいと言われるのにびっくりです。わたしも実はなるようにしかならないなぁと思いながら、常日頃生活しております。

こんにちは。
1点お伺いしたいのですが、介護離職を後悔していない人70%というデータのソースは
どちらになるのでしょうか?

申し訳ありません、きちんと掲載されておりましたね。お手数をおかけしました。

やっぱり辞めたら後悔しなかったんですね。もう少しだけ会社の仕事片付けたら最短の1ヶ月で辞めれるって親に期待だけさせ、辞めれませんでした。コロナで面会も出来ず入院させたまま毎日、会社向かうとき、介護と知ってながら仕事を押し付けてきた同僚見るだけで悔しくて涙が止まりません。辞めてればせめて一番大切な人から貰える「笑顔」だけは無くさずすんだのに。健常者1日は病人の一週間でした。何かにつけてすがりたかったみたいで詐欺にあってました。その蓄えあれば介護に使ってさっさと会社に見切りつけるべきでした。住む所さえあれば何とかなります。お金お金と先に考えず大切なものは「自分で守る」べきだと思います

匿名さま

10年近く前の調査であること、あとは会社によって介護離職への取り組みが違うので、かなり個人差はあると思います。
わたしは辞めたかった会社だったので後悔は全くしていませんが、中には経済的に困窮してしまい離職を後悔されている方もいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか