介護と仕事の両立は、嫌いな仕事をしている前提で語られることが多い

介護と仕事の両立

久々に、介護と仕事の両立と介護離職のお話です。

介護離職もリストラもそんなに差はない

わたしは、介護離職もリストラもそんなに差がないと思っています。介護離職は突然やってくると言われますが、リストラだって突然やってきます。自分がケガや病気をしてしまって、退職せざるを得ない状況が、やってくる可能性もあります。

大好きな仕事を介護で辞めざるを得ない場合、それはなんとか両立を目指して欲しいと思います。でも、イヤイヤ仕事をしていて、生活のため、住宅ローンのため、介護費用捻出のためだけに働き続けないといけないのなら、介護離職という強烈な機会を、ポジティブに変換できないかな・・・そう思います。

現実的ではない!そんなの急にできるか!と言われると思いますが、確かに急にはできません。あらかじめ準備が必要です。今の仕事や待遇が永遠に保証などされていないのだから、副業であったり2枚目の名刺を持ったりして自衛が必要です・・・介護とか関係なく。

もし1億円もらったら、おそらく定期預金や株式投資、FXなどに分散投資してリスクヘッジするはずなのに、こと仕事に関しては1億円株式1点投資をしている人が多いなぁと思います。

休日が待ち遠しい人は人生をムダにしている

ウォンテッドリーというビジネスSNSを運営している会社の代表取締役CEO・仲暁子さんの、この言葉がとても胸に突き刺さります。

それは何かというと月~金が、すごく早く終わってくれないかなとか、早く5時になって、定時になって帰れないかなとか思っている人が意外と世の中に多い気がしていて。人生1回じゃないですか。1回で自分の寿命が早く縮んでほしいと思う人は多分いないはずなんです。伸びてほしいと思う人は多いと思うんですけど。でも、早く5時になってほしいとか、早く金曜日になってほしいと願うということは、早く時間よ過ぎてくれ、早く寿命よ縮んでくれみたいな。自分の1回の人生をドブに捨てていて超もったいないなと思っていて、そういう人を減らしたいなと思っているんですよね。
引用元:http://logmi.jp/23495(ログミー)

わたしも介護離職して、今のようなフリーランスになるまではこの状態でした。日曜の夜は憂鬱だし、土日も休んでいるのに頭の中では常に仕事のことばかり考えていて、休んでいる気がしませんでした。

仕事のことを考えないようにするために、他のことに夢中になる時間を作ろうとスポーツクラブで汗を流したり、自己啓発本を読みまくって、自分のメンタルを維持しようとしていました。しかしそんなものは一過性でしかなくて、忙しい日常に身を置くうちに、その効果は薄れていきました。

「介護と仕事の両立」が大変と言われているのは、こういう気持ちで仕事をしている人がほとんどいう前提だからで、それに加え大変な介護がやってくるから二重苦みたいになるわけです。もし、仕事が楽しかったら、介護の大変さを仕事が相殺してくれます。

楽しい仕事を見つけるのってなかなか難しいことですが、わたしはとにかくいろんなことに手を出さないと見つからないと思っています。この介護ブログに辿りつくのに、わたしは20個近くブログを立ち上げて試行錯誤してました。興味もないのに、食器のブログを書いたり、雑貨のブログ、なぜか競馬のブログまで作りました。すべて大失敗しましたが、いろいろやってみて自分のやりたいことを見つけるためのプロセスだったんだなと、今は思います。

「やりたいことが見つからない」

と言う時間があるなら、とにかく手を動かすしかないと思います。歳を重ねるほど、その一歩が出なくなるのは自分でも感じているので、好奇心というエンジンを老化させないよう、いろんなことに興味を持ち続けようと思います。

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか