認知症の母の服薬管理の失敗から学んだこと

服薬管理

認知症の母(69歳)が、コウノメソッドと出会ってどのような認知症の経過をたどるのか、ブログに残していきます。

認知症の母の状態と、現在行っている認知症治療

  • アルツハイマー型認知症と診断されたのが、2013年4月上旬
  • 脳の委縮はほとんどなく、軽度の認知症と診断
  • 現在服用しているのは、フェルガード100Mのみ。1日1包服用。
  • 服薬管理は母自身が行っていて、わたしはそのヘルプをしている
  • 遠距離介護なので、わたしは東京にいる状態

1週間目で現れた効果

先日のコウノメソッド講演会では、フェルガードを服用後、最短で4時間で効果が現れたという患者さんがいたと河野先生が言ってました。我が家はというと、最初の1週間はこれといった大きな変化はないというのが、正直な感想です。ただひとつ、あれ?と思わせる出来事がありました、それは・・・

『わたしが東京にいることを理解している』ということでした。今まではというと、わたしの留守番電話に『今日は何時に帰ってくるの?』という切ないメッセージがいつも残ってました。”帰るも何も今東京で、次帰るのは1週間後” という説明を何回もしてきました。

それがフェルガードを服用して1週間後、『聞きたいことがあるので、電話してください』という対応に変化。おぉー、まじかっ? というのが、ひとつ現れた変化です。ただしそれ以外はというと、相変わらず妄想なのか、本当なのか分からない事を何度も繰り返していて、大きな変化はこの1つのみでした。

遠距離介護で感じる服薬管理の難しさ

フェルガード自体は米ぬかサプリメントなので、多少多く飲んでも害はありません。とはいえ、わたしがいない1週間、どうやって正しくフェルガードを飲んでもらうか?というのは、大きな課題でした。そこでわたしは、『フェルガードの包みに日付を書く』ということをして、その日に1包飲んでもらうという方法をとりました。

こんな感じでフェルガードに日付を記入して、1日1包飲んでもらうようにした↓
20130412_212137

結果は・・・・

3日目ぐらいに実家に電話して、あと何包残っているか確認しました。そしたら・・・・『1包もないよ』 と。やっぱりか・・ 上の写真を見てもらうと分かるのですが、数日たつとポケットの中にフェルガードが落ちていってしまって、しまいには見えなくなってしまうという致命的なミスが。それを察した母が、すべてポケットから取り出して、別なところへ保管していたため、全部飲んでしまったのです。ひょぇ~

これからアルツハイマー型認知症のお薬アリセプトも試そうと思っていたので、この失敗は大きな意味がありました。

本当は1日2包飲むのですが、服薬管理を認知症の母ひとりでは無理だろうと予測した私が、1週間分(7包)しか用意せず、のこり3週間分は自分の机の中に隠しておいたのです。

服薬管理の失敗から学んだこと

この失敗で服薬管理の代替プランが浮上しました。1つは毎週くるヘルパーさんにみてもらう、2つ目はいわゆる服薬管理用カレンダーを使う この2つです。実はまだどちらも実行に移していないのですが、いずれやってみようと思っています。遠距離介護の難しさ・・・・、つきっきりならこんな事にはならないのですが、こういう時に遠距離介護って・・・と思います。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか