介護と老後と家というハコについて考える

最近、盛岡の実家周辺で家の改築が多くなりました。昭和30年、40年代の記憶をメインで生きている認知症の母ですので、家周辺の建物が変わってしまうのはちょっとイヤだなぁ・・・と、わたしは思っているのですが、止められません。新築の家がどうしても目に入ってしまうので、今日は家というハコについて考えてみました。

盛岡の一戸建ての相場

推測でしかないのですが、盛岡の実家周辺では20代・30代のご家族が家を建てたり、建売を購入しているような感じです。チラシを見ていると、新築で2000万円超で販売されているようです。

一方で東京の新築マンション・一戸建ては、ものすごく高いです。盛岡のこの値段では、中古マンションくらいしか買えません。

わが家は家購入の夢だけは見ますが、本気で購入を検討したことは一度もありません。わたしが、家出中の父の脳梗塞が理由で、30代半ばで1回目の介護離職を経験したことも大きかったです。その時点で、母と祖母の介護がいずれ自分にくることが想定できたので、35年ローンという選択は全くありませんでした。

変わっていく家族構成に対応できない家

近所の改築や新築の物件を見ていて、これは賢いなぁ~と思った家がありました。以前は2階建てで、ご家族4人で住んでいた一軒家だったのですが、1階建ての天井の高い家に改築(減築)していたのです。

子供たちは実家におらず、おそらく東京で就職したので、家に住むのは老夫婦2人のみ。2階は必要ないし、広い家も必要ありません。うちの実家も、最大で5人が住んでいました。しかし、父が家出し、息子は上京、娘は嫁ぎ、祖母は亡くなった今、母1人しか住んでいません。

こんなに大きな家は、73歳の母には要りません。2階もいらないし、部屋もこんなに必要ありません。宝くじがもし当たったら、実家は間違いなく減築するでしょう。わたしがプランする減築は、今の間取りや配置をキープしながら断熱性の高い家にすることです。もちろん、認知症対策のために間取りを変えないのです、予定は全くありませんが(笑)

リアルで考えると、は手すりや車イス対応のリフォームをどこかで1回やって、できれば断熱材を入れてあげたい・・・すべては母の認知症がどう進むかです。

東京の家を見て思うこと

東京だと狭小住宅で3階建てもあるのですが、そういった家を見ると、老後は大丈夫なのかな・・と思うことがあります。今は若くて元気だからいいのですが、足腰が弱くなってからの階段の昇り降りは大変になるだろうなとか、わたしのように介護離職したら、家のローンは大丈夫なんだろうかとか・・・

いまこういう介護者の立場になってみて、東京で35年ローンで家を買っていたら、人生きつかっただろうな・・・と強く思っています。ローン返済のために会社を辞められなかっただろうし、それでイライラして母にあたって、母の認知症も進行していたかもしれません。そのまま施設に入れて、やることはやったとか思ったんだろうな・・

家というハコも、家族構成に応じて、レゴブロックのようにカスタマイズできればいいんですけどね。時代の変化スピードはどんどん加速しているのに、家というハコはどうしても変えられない・・・

モノを持たない生き方(ミニマリスト)が注目されていますが、わたしもあまり所有していません。車を購入したこともありましたが、早々に売却しました。レンタカーは使った分だけ払えばいいので、余計な維持費を払わなくて済みます。東京・盛岡のデュアルライフ(二地域居住)をしているので、身軽のほうが動きやすいというのもあります。仕事も自由なので、盛岡でも東京でもできるようになっていて場所縛りがないし、時間縛りもありません。

すべて介護がきっかけで、介護しやすい生活に見直しましたが、結果として所有しない、時間に縛られないという新しい時代の流れにうまく乗れているような気がしてます。介護離職って逆境だと誰もが思うはずですが、うまく利用できてますね、結果として。

ちなみに、家の間取りをチラシで見るのだけは好きです。

今日もしれっと、しれっと。

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4 件のコメント

  • 初めまして。こんにちは。
    母(52歳)が先月若年性アルツハイマー型認知症と診断され、色々検索してた時に工藤さんのブログを発見しました。
    色々勉強させていただいています。
    主治医には「早くて半年で娘さんの事がわからなくなります。」と言われました。
    病気のお陰で前よりも母を大切にしようと思いました。
    これからもこちらで勉強させて下さい。

  • ニコさま

    コメントありがとうございます。

    ちょっとびっくりしたのですが、そこまで配慮なくキッパリ言い切ってしまう主治医はどうなのかなと思いました。若年性は確かに進行が早いと言われていますが、個人差はかなりありますし、家族と一緒に半年どころか何年先でも大丈夫なように一緒に考えるのが医師の役割です。例えばうちの祖母(年齢が違いますが)は、認知症テストで30点満点中5点しか取れませんでしたが、わたしのことは最期までギリギリ理解できました。

    お母さまを大切にすることで、半年どころか何年先も娘さんを理解できるとわたしは思いますし、そうなって欲しいです。

  • お返事ありがとうございます!
    主人にも「医者は悪い事ばっかり言うから気にしないで、お義母さんに合う病院や方法を探して行こう」と言ってくれてます。
    女性の医師なのですが、一般的に早くて2〜3年で寝たきりになるかもとも言われました。この主治医はハッキリと今の時代まだ認知症にミラクルを起こせる薬がありません。なので希望を認知症の方に希望を持たせるようなCMも好きじゃないです、ともおっしゃっていました。
    他の医師を知らないので、こんな風に言うものなのかと思っていました。
    月末に退院なので、次は違う病院にも連れて行きたいと思います!
    あと、工藤さんのオススメの日清オイリオのゼリーを試してみようと思います!

  • ニコさま

    確かに認知症はほとんどの場合は根治しませんが、ミラクルはなくとも維持する努力はできます。若年性のお母様を介護する岩佐まりさんのブログをご覧になられると、娘さんが理解できなくなる、すぐ寝たきりになるといった情報との違いを感じることができるかもしれません、こういう方もいらっしゃいます。自著にも書きましたが、医師のレベルもバラバラですので、ご自身で勉強が必要だと思います。メモリオンもいろんな選択肢のひとつなので、ご自身で合うものを探してみてください。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)