認知症の母の骨折通院が終了。悪魔が天使になった日

4月22日(月)の朝、母を整形外科に連れて行き、レントゲンを撮りました。

左足親指の付け根のひびはほぼくっついていて、包帯やシーネ(添え木)が取れ、痛み止めの飲み薬は終わり、問題があったときだけ通院、実質終了となりました。

くどひろ

包帯取っちゃダメって言ってるでしょ、何回言ったら分かるの!

くどひろ

立たないで!足の指の骨、折れてるんだよ!

この3週間、ずっと悪魔モードの介護で本当に疲れました。わたしは怒るのが苦手で、いかにして怒らないようにするかを考えながら生きてきたので、変なパワーを使い続けたような。

でも骨が折れているのに、包帯もシーネも外して歩き出す母には怒りしかなくて。認知症だからしょうがないけど、さすがに青ざめますって。骨折した人が何の防御もなく、しれっと歩くなんてあり得ません。あの緊張感の連続、本当に勘弁して欲しい。

骨折を秒で忘れるので、母の目の前に置いたホワイトボード

もう怒鳴らなくていいので、急に天使モードの介護になりました。認知症で同じ話を何回されても平気、何年も聞かされてきた妄想も軽く流せる、でもこの天使モードは長く続かないと思います。平常運転に戻れるはずで、骨折のときほど怒らずに介護できると思います。

認知症でよかったこと

認知症でよかったと思う点もあります。それは母が骨折したことを全く覚えてなくて、普通に歩き出そうとするし、顔を洗ったり、皿を洗ったりする意欲が衰えていないところです。

よくあるパターンは、転倒骨折からの廃用症候群、寝たきり、そして死に至るケースです。認知症だった祖母は、病院のベッドから転落して大腿骨骨折をして、このコースを歩んで亡くなりましたが、母はいい意味で骨折したことを覚えていません。

包帯やシーネをしていた頃の母の積極性はうざくて、安静に立たせない努力をしました。コタツに洗面器を持って行って歯を磨いてもらったり、化粧道具も持って行ったり。しかし今は立って活動してもらったほうがリハビリになるので、好きに動いてもらっています。必ず近くに居るようにはしていますが。

ただ完治したわけではないので、リスクはあります。再び転倒して、他の箇所を骨折する可能性もあるのです。というわけで転倒の対策をケアマネさんやデイの皆さまと話しあって、早速行動に移しました。こちらはブログか音声配信で発信します。

GW前に東京に帰りたいですし、仕事の時間もだいぶ介護に奪われたので、何とかGW中に取り返すつもりでいます。

音声配信voicyの最新回は、ショートバージョンになっています↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか