【認知症】家族による薬の量の調整「家庭天秤法」ってなに?

ピルカッター

我が家はコウノメソッドで、認知症治療を行っています。コウノメソッドには3本の柱があって、

  1. 介護者保護主義 (患者と介護者ならば、介護者を救う)
  2. 米ぬかサプリメント 「フェルガード」 の活用
  3. 家庭天秤法

今日はこの 「家庭天秤法」 について、我が家の実例に基づいて解説していきたいと思います。

家庭天秤法とは?

「家庭天秤法」とは、家族が患者の状態を見ながら薬の量を加減することを言います。コウノメソッドを作った名古屋フォレストクリニックの河野和彦先生は、

「医師は素人より下であるから、医師の用法用量をよく守ると、患者は死ぬ」

と言います。普通の病気ならば、お医者さんから薬をもらったら言われた通り服薬します。疑問にも思わないし、それが当たり前です。でも認知症においては、その服薬が絶対ではない事も多いです。

現実問題として、薬の間違った投与によって認知症が深刻化してしまうケースは多発していて、認知症においては介護する家族側も勉強する必要があるということです。といっても、素人には難しいですよね。

「この薬多すぎるんじゃないか?」 と疑う

例としてよく出るのが、アリセプト5mgが多すぎて副作用が起きたり、認知症の症状が悪化していくというものです。悪化するから薬をさらに増やして、もっと悪化するスパイラルに陥ります。

家族は薬に関しては素人なので、どの量が適正か?なんて分かりません。分からないならどうしたらいいかというと、

「この薬、多すぎじゃね?」

と考えるのです。これは素人でも考えられるのですが、”その発想” に至らないんですよね、普通。正しくない薬の量が処方されるという発想がないですからね。なんかおかしいな・・・妄想や暴力が増えてきたな・・・と思ったら、薬を減らして様子を見ます。

「患者と一緒に過ごしている家族が、患者の細かい変化に一番気づく」

というところがベースにありますが、これは本当にそうです。お医者さんはたまにしか患者と会わないので、家族はその変化を先生に伝える必要があります。

薬の量はどうやって調整?

うちの場合は、そもそも処方される薬の量が少なめです。そこから少しずつ増やして様子を見るという事をやっています。すべての薬局や先生が柔軟に対応してくれるかというとそうではないので、そういう時は 「ピルカッター」 を使います。

「ピルカッター」 もいろいろあって、はさみで錠剤をカットするタイプ、ケースで割るタイプなどあります。わたしは粉が飛び散らない、さらに安いという点でプラスチックケースタイプを購入しました。

以前レミニール8mgを処方してすぐに、母の状態がハイになりまして・・・その時に8mg→4mgに減らすという作業を、下記写真のAmazon購入のピルカッター(巾着つき)を使ってやりました。レミニールって口に溶けやすい錠剤なので、簡単に割れます。厳密に4mgにはできませんが、だいたい半分にはなりました。

20140603_153358

写真撮りが下手で申し訳ないのですが、写真右側の “<” の部分に薬を置いて、ケースを閉じると左側のカッターの刃でパチンと切れます。なんと原始的なんでしょうね、ピルカッターって。(クリックすると画像が拡大します)

今やっている「家庭天秤法」

ピック病のお薬であるウィンタミンを毎日、フェルガードBに混ぜて母に飲ませています。ウィンタミンは細粒タイプで処方されているので、ピルカッターは使っていません。量が少ないので、1日に何包飲ませるかで調整をしています。

1日目: 夜だけ飲ませてみる → 眠いといってすぐ寝てしまった、のどの渇きを訴えた
2日目: 夜だけ飲ませてみる → 自分の歳をすらっと言った、まさか2日で効果あり??
3日目: 夜だけ飲ませてみる → やはり寝るけど、のどの渇きはなし。症状は変化なし。
4日目: あえて飲ませない   →  薬飲んでないのに寝た。薬は関係ないのか?
5日目: 夜だけ飲ませてみる → えっ?薬半分もこぼして、測定不能・・

変化があったら先生や薬剤師さんに連絡が取れる体制ができているので、安心して調整しています。

わたしが東京に帰ってしまうので、とりあえず 「家庭天秤法」 は一旦終了です。 1週間後にまたやってみます、次は朝に飲ませたり、1日2回にしたりします。少量飲ませては、認知症の人の変化を感じ取るという事をひたすらやります。

レミニールであれ、アリセプトであれ、微妙な薬の量の違いで認知症の人の反応は大きく変わるということです。コウノメソッドを勉強してなければ、この発想には至らないはずです。「家庭天秤法」の神髄は、量の調整よりもこの発想を持つことが大切なんじゃないかな?と。うちはピック病寄りと判断されているので、このウィンタミンが効いて欲しいんだけどな・・・

今日もしれっと、しれっと。

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4 件のコメント

  • この「家庭天秤法」がねー・・・うちのかかりつけにいうと「勝手にやった」だの「外来に来て診察受けろ」ってうるさいんですよねー・・・

    抑肝散一回減らすだけでも電話したら「外来に」ってうるさいんでもう聞かなくなりました。
    なんでそのためだけに一々何時間も待つ外来に行かねばならないのかと。

    まあ近いうちにコウノメソッド実践医に診断してもらうのでその結果によってはもう今のかかりつけにいかなくなりますけど。 テストの結果で遅延再生できたことを調子がよかった で片付ける医者にはもう関わりたくありませんね。

  • syumitektさま

    くまなくブログ読んで頂き、ありがとうございます!!

    やっぱり、そういう反応になりますよね。コウノメソッド実践医が当たりであることを祈るのみです!

    調子がよかった!って・・・・勉強している患者がいる!ってこと、知らない人も多いですよね。

  • 当たりかハズレか?でいったら埼玉でコウノ医師のブログにもでてきてるぐらいの人なんでハズレはないと思いますけど・・・。帯津三敬病院に行く予定なので。
     受け付けに電話して「認知症の母がいて」という話をしたらすぐに「フェルガードですか」と聞かれるぐらいなので今のとこよりはレベル高いですね
    今のとこは「フェルガード」を知らないどころか「健康食品」って聞いだだけで「そんなもので治るわけがない」と言いましたからねえ・・・。

  • syumitektさま

    やはり会話の通じる医師でないと、われわれ介護者側がストレスを抱えてしまいますよね。
    医師もいろいろと情報収集されて勉強される方と、そうでない方いらっしゃいますからね・・・

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)