【書評】中日新聞・三浦耕喜さんのわけあり記者を読んで

わけあり記者 感想 書評

中日新聞の記者である三浦耕喜さんの新刊「わけあり記者」を読みました。ご自身がうつ病を患い、親のダブル介護を経験し、パーキンソン病になる・・・いろいろと「わけあり」なので、こういうタイトルがついています。

なぜこの本を読もうと思ったかというと、1年ちょっと前に三浦さんご本人から取材を受けたからです。下記写真がその時の記事で、三浦耕喜さんのお名前と、わたしの名前があります。

取材というのは、本当にいろんな方がいます。わたしの本を熟読されてくる方、取材しているのか自分の話がしたいのか分からない方、わたしの話が伝わってない方・・・2016年3月に三浦さんの取材を受けた時の印象は、ハッキリ言うとよくなかったです。無表情な方だなぁ・・・その印象が今でも残っています。

しかし、あとで三浦さんがパーキンソン病を患っていたことを知って、猛省しました。2016年初めから左足を引きずるようになり、6月からはいよいよやばかったと本に書いてあります。おそらく取材の待ち合わせ時間に間に合うように、相当早めに会社を出て、わたしに悟られないように喫茶店の席に座って待つ・・・動きや表情もぎこちなくなるのがパーキンソン病ですから、きっと取材の時も・・・本を読みながら、そう思いました。

三浦さんが記事を書くとき、手がしびれるので右手の指1本で打ち込むと本に書いてありました。出版にあたりメールを頂いたのですが、きっと1本指でキーを叩いたのでしょう、すごいです!

一番印象に残った箇所

勝手に介護の話がメインかと思って読み始めたのですが、大半はうつ病に関するお話です。ご両親のダブル介護、パーキンソン病については、そんなにページを割いていません。また、Facebookの過去投稿や、ご自身で書かれた新聞記事も多いのですが、それでもこの本1冊を作るのに、相当ご苦労されたのだと想像できます。

わたしが一番共感したところは、ここです。

そのような目で新聞を見ると、「介護はこんなに大変だ」という悲惨な記事ばかりだ。制度や手続きを紹介する記事もあるが、「これも足りない」「あれもできない」という不満に落とし込んでいる。こういう人が何百万もいて、何億、何兆もの金がかかっているというデータも載る。
引用元:わけあり記者(高文研)

わたしはブログや本で、小さく発信することしかできません。しかし、大手メディアである三浦さんのこういった発信は、たくさんの人の目に触れます。こういう視点の記者さんがいるというだけで、心強いです。大変な介護ネタはお腹いっぱいですから、面白い視点とか、変わったケアとか、そっちをもっと紹介して欲しい!いつもそう思ってます。

わけあり記者

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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか