2014年までに認知症の人が 「9つの成果」 をあげるってなに?

最近、「認知症」 をいろんなメディアでとりあげられる機会が増えています。

認知症を扱ったNHKスペシャル 「母と息子3000日の介護記録」 「孤立する高齢者」 は、「認知症介護」 をしていない人にも大きな影響を与えました。また、ヤフーのトップニュースにも、下記が載りました。

「世界の認知症患者数、2050年までに3倍増に 調査報告」

12月11日にロンドンで、「主要8か国(G8)認知症サミット」 が開催されます。(英国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、米国)開催国であるイギリスにとって、2014年が節目の年と言えます。啓蒙キャンペーンとして、認知症の人にとっての 「9つの成果」 をあげることを掲げています。(実際は10と言われてますが、9しかない・・・)

イギリスの9つの成果

1.私は早期に認知症の診断を受けた
2.私は認知症について理解し、将来についての意思決定の機会を得ている
3.私の認知症、及び私の人生にとって最善の治療と支援が受けられている

4.私の周囲の人々、私のケアをしている人々が十分なサポートを受けている
5.私は尊厳と敬意を持って治療されている
6.私は私自身を助ける術と周囲の誰が支援してくれるかを知っている

7.私は生活(人生)を楽しむことができる
8.私はコミュニティの一員であると感じ、何かコミュニティにお返ししたいと思う
9.私は自身の人生の終わりに関する願いが尊重されると確信し、良き死を期待できる

わたしの認知症の母に、この 「9つの成果」 を当てはめると、圧倒的に足りないものが1つだけあります。

8番目のコミュニテイが、圧倒的に足りていません!

治療法やサポート体制などは、いろんな苦労はありましたが、いいヘルパーさんや看護師さん、病院との出会いで満足しています。ただ社会的な役割やコミニケーションはというと・・・ほぼゼロです。

「認知症だけど、手足は不自由だけど、それでも何か社会的役割があれば・・・」

社会的責任を認知症の人にも与える って、とても重要だよな~って。ただそういう場所探しを、うちはできていないんです。もしそういう場があったら、もっと認知症にはいいはずです。そして今準備中なのが、9番目です。認知症の終末期をどうするか、今実行に移している最中なので、完了したらブログで報告します。

これら成果を2014年までにあげるという事を、イギリスでは掲げています。日本では厚労省が掲げている 「オレンジプラン」 があります。日本だけではなく、世界中が、「認知症」 を意識する時代になってきました。

認知症患者数を4倍することにしている

「日本の認知症患者数が、2012年時点で462万人に達した」

というニュースが報道されますが、わたしはこのニュースを次のように置き換えるようにしています。

「認知症介護者数が462万人×4倍=1848万人に達した」

患者がその人数になれば、介護する側は4倍です。(家族を前提にして、4倍)中には介護しない人もいますが、それでも家族中でこの 「認知症」 を意識するようになります。世界でも爆発的に増える認知症患者、そして日本もしかりです。

ブログ以外でも、行動に移す場を2014年は作っていければなぁ・・・と思っています。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか