【祖母の死で分かった】認知症介護に「エンディングノート」が絶対必要な理由とは?

エンディングノート もしもの時に役立つノート

認知症の祖母(90歳)が亡くなった時に、”最も” 後悔したことが、

「判断ができる時代に、本人の意思を確認しておけばよかった」

ということです。本人の意思というのは、

1.介護の方針
2.告知・延命治療の方針
3.葬儀の方針

です。他にも友人や親族との関係、銀行の口座、保険のありか なども、認知症が進行すると、何もかも分からなくなってしまいます。この事は、認知症の終末期を考えるフォーラム2013でも、認知症ケアの倫理問題として取り上げられました。その時の話は、とても耳が痛くなるものでした。「エンディングノート」と密接に関係するのですが・・・

なぜ認知症の人に、「エンディングノート」 が必要か?

理由はとてもシンプルです。

「家族が認知症の人の代理判断をする時、自分の都合で判断してしまう」

からです。具体的にいうと、

・歳だから、認知症の検査や治療は無駄だと思う。医療費も大変だし・・・
・入院したら誰か病院についていなくてはならないし、わたしは仕事がある・・・

というように、認知症患者の立場に立ってない判断をしてしまうんです。だから事前指示といって、認知症になる前に、または認知症でも軽度なうちに、本人の意思を十分に汲み取って、自分都合で判断しないようにしないといけないんです。

「エンディングノート」は、認知症患者の意思をくみ取るための手助けツールと言えます。祖母は亡くなってしまいましたが、認知症の母(70歳)が居ます。幸いにして、「軽度の認知症」なので、今ならば判断ができるレベルです。これが終活です。

祖母で後悔したことを、母でも後悔したくない!という思いと、亡くなってまだ1ヶ月しか経過してないから、忘れないうちにすぐ!という思いから、「エンディングノート」を購入しました。

どの「エンディングノート」 を買えばいい?

「エンディングノート」に書いている事は、銀行口座のありか、保険や証券など、誰でもまとめる事ができます。最初はネット上の「エンディングノート」PDFをダウンロードして、0円で作ってしまおう!と思ったんですが、A4の紙に書いてもらうよりかは、認知症の母もノートに書く事で、記憶に残るだろう ということで買っちゃいました!

「エンディングノート」はたくさんありますが、Amazonの評価が高かったことや、考える葬儀屋さんのブログ記事、「エンディングノートの正しい選び方」 などで薦めていた、「エンディングノート」の火付け役であり、実績もある KOKUYOの「もしもの時に役立つノート」 を購入しました。同時に購入したのが同じくKOKUYOの「遺言書キット」(遺言書虎の巻ブックつき)です。(下記画像)

もしもの時に

「もしもの時に役立つノート」には、ディスクケースもついています。遺影用の写真、認知症で徘徊した時の捜索用、音楽葬にする場合はそのCD、写真のデータをCD-Rにいれたものなどをこれに保管しておきます。かゆいところに手が届く仕様ですね~(下記画像)

ディスクケース

「エンディングノート」を買ってみて分かった事

祖母が亡くなって、まだ1ヶ月しか経過していません。そういう状態で、このKOKUYOの「エンディングノート」を読んでみると、なるほど!確かにこの「エンディングノート」に書いてある事が、事前に分かっていたら、葬儀でこんなに苦労しなかったし、延命措置で悩まずに済んだ というのが、最初の感想です。

故人の意思も分からないままに、病院との延命治療の相談、葬儀の準備をするのは本当に大変でした。これを準備しておけば、もしもの時に何も困りません。うちの場合は祖母が判断できないので、結局娘2人に私が聞いて、それをお医者さんや葬儀屋に伝えるということをしましたが、正直疲れました。悲しんでいる暇がないくらい、葬儀の準備は大変です。

また自分自身だって、いつ突然亡くなるか分かりません。なので、自分の「エンディングノート」も作っておくことにしました、40代ですが決して早くないと思っています。

「遺言書キット」も今読んでいる最中なので、後日レビューします。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか