家族が亡くなった時遺族がすべき手続きリストと父の生命保険金への請求結果

亡くなった時の手続き

父が亡くなった後の諸手続きについて、まとめてみました。家族が亡くなった時に遺族がすべきリストとして、ご活用ください!

最初は一般的な話から入って、途中から工藤家特有の話へと変わっていきます。わたしのコツもご紹介します。

死亡届

死亡届は右側が「死亡診断書」になっていて、亡くなった病院が死因や死亡時刻などを記載してくれて、病院の印鑑を押して渡してくれます。左側に遺族が亡くなった人の名前や住所、届出人の住所や本籍などを記載します。

その死亡届で、火葬(埋葬)許可証をもらえます。市区町村で値段が違うと思いますが、盛岡の場合は火葬代が1万円でした。わたしの場合は、死亡届を書いたあとで葬儀屋さんが火葬許可証の手続きまで代行してくれました。

この死亡届をいろんなところで提出するので、コピーを多めに持っておくといいと思います。うちの場合は、葬儀屋さんが気をきかせてコピーしておいてくれました。

専用の銀行口座開設

わたしは成年後見人を経験したとき、お金の流れをとにかく通帳に記載しておくと後で証明が楽になるということを学びました。そこで、今回の一連のお金の流れ(香典、葬儀代、葬祭費、お墓代など)を、一冊の通帳にまとめようと思いました。

まず岩手の銀行に、新しく口座を開設しました。できるだけ振込できるものは振り込んで、お金の流れを明確にしています。あと預金通帳に「えんぴつ」で使い道や入金元の情報を書き加えています。このあたりが、わたしなりのコツです。

うちの場合は父のマンションを売るまで、しばらくいろんな費用がわたしの口座から持ち出しになります。そのお金の流れをすべて、この口座で管理する予定です。相続に時間がかかりそうなら、こういう方法もありです。

戸籍謄本や附票などいろんなものを取得しているので、領収書もしっかり管理しています。

後期高齢者医療の被保険者証の返還(葬祭費の支給)

父は76歳で亡くなったので、後期高齢者に該当します。後期高齢者の被保険者証と印鑑、「葬祭費」を支給してもらう先の通帳を持って市役所等に行くと、お金が支給されます。葬祭費というくらいなので、喪主名義や相続人代表名義の通帳になるようです。

盛岡市の場合は3万円ですが、東京だと7万円なので地域差はかなりあるようです。ちなみに後期高齢者でない方は、国民健康保険に加入されていると思うので、同様の手続きで葬祭費がもらえます。

介護保険被保険者証の返還

介護保険に加入している方は、介護保険被保険者証や、介護保険負担限度額認定証・負担割合証を役所に返還します。うちは特殊で、要介護認定は終わっているのですが、未だに介護度が決まっておりません。

しかし介護サービスは利用しているので、介護度が決定したらそれに応じて支払い額が決定して、その後の返却となります。なぜこんなことになってしまったかとケアマネに聞いたところ、医師の意見書が遅いと・・・あるあるですよね、これ。

国民年金や厚生年金の手続き

国民年金や厚生年金の支給日は、偶数月の15日に支払われます。直近だと8月に支給されたのですが、これは6月と7月の分になります。次は10月15日の支給になりますが、父は9月6日に亡くなっています。だから8月分と9月分(日割りはしない)を受け取ることができます。

しかし、未支給年金の請求はこれで終了です。今、母の遺族年金がもらえないかを調査中です。これだと、母の年金が増えるので、今ここを調査したり資料集めをしています。これだけで1本の記事になるレベルなので、今回は省略します。

携帯電話の解約

父の携帯電話は、ドコモのらくらくホンでした。これを解約に行ったのですが、死亡届と父の免許証、携帯本体が必要だとドコモから言われました。多くの人が24か月のプランとか組んでいると思うので、死亡届があれば途中解約で発生する違約金がなくなります。

最後の携帯料金の支払いを東京のわたしの家に送ってもらおうと思ったら、戸籍謄本が必要だと言われまして・・・結局、セキュリティの甘い父の家に郵送してもらって、それで支払うことになりました。かなりガチガチな手続きがいるなと、正直思いました。

そして、ここからは工藤家ならではのお話です。

遺産分割協議の開始

父が亡くなる2日前に、遺言を準備しようということで動いておりました。しかし、遺言は残せずに亡くなってしまいました。本人の遺志は「音声」では残っているのですが、音声は当然無効です。なので、行政書士と今遺産分割協議を行っております。

父はほとんど財産がないので、父のマンションをわたしに一旦相続するということで決まっています。わたしは早くも3桁のお金を持ち出しておりますので、そのマンションを売ってお金を回収します。相続人は母とわたしと妹の3人で、こちらも1本の記事になるレベルなので、今日は省略します。

電気・ガス・水道を止める

電気ですが、マンションのリフォームの際に利用するので、止めません。父の口座からお金は引き出せないので、わたしの新口座からの引き落としに変える手続きをしました。水道はマンションの管理組合に支払う仕組みで、マンション管理費と一緒に新口座からの引き落としにしました。結局これらの諸経費は、マンションが売れるまでわたしが支払わないといけません・・・

ガスはたぶん使わないので、ガスだけは止めました。あとクレジットカードなどがある方は、こちらの解約もさっさとしたほうがいいです。

NHKの解約

忘れてしまいがちなのが、NHKの受信料の解約です。0570-077077に電話してみてください、電話のみで解約手続きができます。父の場合は前払いしていたので、受信料が還付されました。指定の口座に振り込んでもらうための用紙が送られてきます。

生命保険金の支払い請求

俺が死んだらよ、おまえさ200万入るから

父は生前、こう言っておりました。入院したときも入院給付金が20万近く支給されて、ものすごく助かりました。早速、支払い請求をするために、再びこの会社に電話してみました。

担当の女性
お調べしましたところ、お父様は5口のご契約です・・・・そうなりますと、5万円になります。

え˝ーーーーー、ご、ご、5万円って!!

わたしはこの瞬間、テレビ東京の「なんでも鑑定団」の出張鑑定を思い浮かべました。

お宝を鑑定してもらう一般の出演者が「200万円」とボードに書いて、自信満々に客席に向けてかざしたら、ジャガジャン♪「5まんえ~ん~、ざんね~ん」って赤ペンで訂正されて、恥ずかしい思いをするあれと同じですよ!オヤジ、どうなっとんじゃコラー!

わたしは200万円の使い道を、葬儀代、永大供養墓の費用、医療費、介護サービス費用などに充てるつもりで予定しておりました。ところが5万ってあんた・・・大赤字ですよ!結局お金が足りないので、わたしの貯金で当面は支払いを続けることになりました。あぁ、200万が・・・昔からでかい声で、自信満々に間違う人でしたよ。

いろんな手続きをやる中で、一番の衝撃でした。遺品整理のときに、ご祝儀の袋がいっぱい出てきたのですが、再度袋の中覗きましたからね、1万円とか入っているんじゃないかって。入ってませんでした・・・

それでもこんな質問で、食い下がってみました。

くどひろ
最期4時間だけ入院したのですが、これは入院給付金の対象になりますか?
担当の女性
なりません

だよね・・・分かっていたさ、それでも悪あがきしたかったから。これは生命保険のカテゴリではないみたいですね、他に生命保険はなかったのでがっかりでした。手続きの日々は、まだまだ続きます~

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

7件のコメント

今回も興味深く読ませていただきました。最近、親が亡くなった時の出続きについての本をよく目にします。核家族化していると、大抵初体験ですよね。父が亡くなった時もネットで調べました。その時は、世帯主を変更する手続きもあったことを思い出しました。
次の母の場合は、もっと面倒になりそうだと予感しています。岩銀に新口座を作る話は参考にします。
また、マンションの売却に関しても。実家のマンションも水道代が管理費に含まれていますが、それってよくある仕組みなのでしょうかね?

みーしえるさま

銀行を特定しちゃうところが、さすがですね。新規口座開設に30分かかったり、ネットで振り込んでいるのにまあまあ振込手数料取られたり、ネットバンキングの開設もスムーズでなかったりと、びっくりすることばかりでした。祖母の成年後見人のときはあえて避けたのですが、振込が多そうでそうなると大きいところがいいかなということで選びました。水道代はうちは含まれてましたね、管理費と修繕積立金と一緒に毎月支払いが発生します。他の読者の方も言ってましたが、まさに負動産です・・・

くどひろさんこんばんは。

あっぱれなコケっぷりでしたね。
でも200万が5万とは痛過ぎます。

更新がまた楽しみになりました、不謹慎ですいません。

くどひろさん、こんにちは。
父の時のことを思い出しながら読ませていただいてます。
田舎のことですし、通夜、葬儀、いろいろな即金払いが結構ありました。
立替えてもらうことの無いように、出所はひとつに、私は500万入ったショルダーバッグを斜めがけにして動いていました。
母と社会保険事務所にも行きました。
遺産分割協議、生命保険・・・9年たって色々な手続きが変ったりしているのか・・・
母の時はまた全然違うことになりそうで不安です。
ごめんなさい、私も少し更新が楽しみです。

父の亡き後の手続きには本当に疲弊しました。
あれは一度やっても、もう一度またできるかどうか自信がないですね。
そういう時当てにしていなかった保険とか降りるとせめて心がスーッと達成感で満たされるんですがね。
私も封筒の中とかいちいち確認しました笑!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか